同期達【警察学校組】その２

救出 １９話 ページ49

ー伊達sideー

一応軽傷だろうが、ここは病院。
すぐにAを手術室へと運び入れた医師とは別の医師が俺に声をかけてくる。

医｢貴方も怪我されてますね、治療するのでこちらへ｣

伊｢いや、俺は...｣

景｢行ってこい、俺が待ってる｣

伊｢景光...早かったな｣

景｢あぁ。どちらにしても手術が終わらないと出てこれないんだ。お前はお前の体を大事にしろよ！きっとAも同じこと言うから。｣

伊｢...あぁ。すまねぇな、じゃあ行ってくる｣

声をかけてきた医師に着いていき、怪我の具合やらを調べられた後に手当をしてもらう。

医｢出血は少ないですが、しばらくはあまり激しい動きはしないでくださいね｣

伊｢あぁ...はい｣

どうも...とお礼を言って怒られない程度のスピードで戻ると、手術中となっていたランプは消えていた。

キョロキョロと辺りを見回せば、景光が向こう側から歩いてくる。

景｢怪我、大丈夫か？Aの手術は無事に終わった。今は病室に移ったよ｣

伊｢大した事ねぇよ、こんなもん...そうか...｣

景｢一応話は聞いてきた。Aも今は眠ってるし少し向こうで話すか？｣

伊｢だな...色々聞きたいこともあったしな。｣

流石は警察病院と言った所か...
声をかければ1つ部屋を貸してくれ、景光と二人でそこに入り椅子に腰掛ける。

向かい側の椅子に景光が座れば、目の前に置かれた缶コーヒー。

景｢やるよ。徹夜明けなんだろ？｣

カシュッと小気味のいい音を立てて景光は自分の分のコーヒを開ける。

伊｢すまん...ありがとな。｣

正直、目は完全に覚めているが心を落ちつけるためありがたく頂く。

景｢伊達が戻ってくる前にAの手術が終わって、担当医から話を聞いた。｣

思わずグッと缶を握る力が強くなる。

景｢とりあえず命に別状はない。右側の肋骨を下から3本、右上腕骨、右鎖骨の複雑骨折。折れた肋骨の1つが肺に当たってたらしくそれを処置するための手術だそうだ。額のキズは思ったより深くはない。ただ頭部だから目が覚めれば明日検査するそうだ。左側背中にガラス片による裂傷。背中と額はそれぞれ20針縫ってる。足の裏も軽い切り傷だそうだ｣

伊｢...そうか｣

景｢俺もその場にいた訳ではないからな...なんとも言えないが...詳しく聞いていいか？｣

こうして聞けば、よく助かったな...と思うくらの重症で。

景光に促され、事のあらましを説明する。

張り込み帰りの俺に居眠りの車が突っ込んできたこと。

後悔→←救出 １８話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す