エンカウント 1話 ページ26
ーAsideー
出張先は、京都だった。
東都からもあまり離れていないため、終わり次第帰れるなと思いながらも言われた通り仕事をこなす。
今回は潜入とか、情報の抜き取りとかではなく単なる書類の受け渡しや情報の交換などだったため割と早く終わる。
電話で報告を済ませ、すぐ戻ると伝えるとゆっくり戻ってこいと言われお言葉に甘える事にした。
夜、泊まるホテルでノートパソコンを開いて仕事をしていれば、なんとなく目がチカチカするなと思い休憩がてらに外を歩くことにした。
キャップを被り、ジャケットを着て外に出れば綺麗にライトアップされた街。
そんな周りの景色を楽しみながら歩けば、人通りがあまりない河原に出る。
紅葉の季節だからか、ヒラヒラと落ちてくる紅葉もとても綺麗で。
少し立ち止まって、紅葉を何枚か拾いあげハンカチに包んで胸元にしまう。
そのまま歩きだしホテルへの道のりを歩いていれば、微かに香る血の匂い。
そして硝煙の匂い、か?
嫌な胸騒ぎがして少し小走りで向かう。
河原と建物の間に細い路地があった。
そっとのぞき込むように見れば、こちらに背を向けるように建物に背中を預けてお腹のあたりを抑えている女性。
綺麗なブロンドの長い髪。
そっと近づき、なるべく小さな声で彼女に声をかける。
『あの、大丈夫ですか?』
?「?!」
驚いた様にバッとこちらに振りむく女性。
傷に触ったのか、少しいたみに顔を歪めていた。
『怪我、されてますよね?救急車をお呼びしましょうか?』
振り向いた彼女を見れば、外国の方のようだった。
一応、英語で問えば通じたのか彼女はフルフルと首を振る。
『でも、手当しないと...ちょっと失礼します』
彼女の腹部から出る血の量、そして一言断りを入れて服を捲らせてもらう。
傷口を見ればやはり銃で撃たれた傷で。
先程ハンカチを入れた胸ポケットとは逆のポケットから緊急用の治療キットを取り出す。
ガーゼに消毒液を垂らし、周りを軽くふく。
傷口にも脱脂綿を軽く当てピクっと震える彼女の体。
『すいません、もう少しで終わりますから...』
謝罪を口にして、塗り薬を取り出し患部にガーゼを貼り上から包帯を巻こうとして気づく。
包帯が...ない。
仕方なく自身のスカーフを破き、巻いていく。
『とりあえずの応急処置なので、きちんとした治療を受けてくださいね。私のスカーフで申し訳ないんですけど固定もしてあるので...』
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百合花(プロフ) - 桜さん» 松田さん達も心配しちゃいますね^^;久しぶり?に爆処が出せるかな?と思いながら続編へ移行します! (2018年10月30日 22時) (レス) id: 625ae50eaa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 百合花さん» 夢主は目を覚めるかな?松田さん達にも報告しないと怒られそうですね (2018年10月28日 16時) (レス) id: 4b63d11e04 (このIDを非表示/違反報告)
百合花(プロフ) - レモンさん» レモン様、でよろしいですか?コメントいただき、応援もありがとうございます!頑張ります^^ (2018年10月24日 10時) (レス) id: 415b7febbc (このIDを非表示/違反報告)
百合花(プロフ) - 桜さん» 無事にコナンとも再会し、伊達さんの救出もできました!応援ありがとうございます!頑張ります (2018年10月24日 10時) (レス) id: 415b7febbc (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 伊達さんを助けれた!!続き頑張って! (2018年10月24日 8時) (レス) id: 4b63d11e04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:百合花 | 作成日時:2018年8月27日 22時