看病 2話 ページ23
ー降谷sideー
俺の言葉に完全に休む気がなかったAの様子がわかる。
やはり思った通り、彼女は部屋にこもって仕事をする気だったのだろう。
今は登庁しているヒロと事前に打ち合わせておいたのだ。
降「まぁ、今日休めば明日には登庁できるだろう。諦めてくれ」
『はーい...』少々不満げな返事をしたAは部屋に戻らずリビングのソファーへと座った。
降「部屋戻らないのか?」
『何もしないのに部屋にいても暇だしね...適当にテレビでも見てようかなって』
降「そうか、まぁ暖かくしてろよ。ほら」
Aがリビングに居る時にいつも使っているブランケットを渡し、昼食作りに励む。
食が細い彼女は、熱が出るときつもより更に食欲が落ちるから今日は食べやすいように煮込みうどんにした。
生姜も少し入れたし、体も暖まるだろう。
テレビを見ていた彼女に声をかけ、2人でそれを食べる。
食べ終われば、片付けをすると言って聞かないAに処方されていた薬を渡し、その隙に洗い物をすませる。
その後もほとんど彼女に任せ切りになってしまっていた家事をこなす。
しかし俺たち以上に現場に出て忙しくしている彼女が普段から綺麗にしているためほとんどやることは無く俺もAの横に座る。
降「映画でも観るか?」
ヒロが気に入って買ったDVDが並んだ棚を指さし聞けば、頷くA。
2人で何を見るか決めセットをして貰っている間に飲み物を入れてくる。
また元の位置に戻れば、2人でゆっくりと映画鑑賞が始まり。
物語も中盤に差し掛かった頃、ふと肩に感じる重み。
そっと視線を向ければ、Aが俺に頭を預けスヤスヤと気持ちよさそうな寝息を立てる。
これだけ気を抜いて寝て貰えるようになるまで3年もかかったのか...としみじみ思った。
警察学校時代、割と今と変わらないくらい仲が良くなった頃も俺達の誰かが傍によったりしたら直ぐに目を覚ましていたA。
心を許して貰えたと喜ぶべきか...男として見られていないと悲しむべきか...
寝冷えしないよう、彼女のブランケットを掛け直し体を横にしてやる。
俺の膝にAの頭を置いてやり、指通りのいい柔らかな髪を軽く撫でる。
気持ちよさそうに眠る彼女。
そんなAを見ていれば俺も瞼が下がっていくのを感じ、テレビを消して目を瞑る。
そのまま俺達はヒロが帰ってくるまでソファーで眠った。
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百合花(プロフ) - 桜さん» 松田さん達も心配しちゃいますね^^;久しぶり?に爆処が出せるかな?と思いながら続編へ移行します! (2018年10月30日 22時) (レス) id: 625ae50eaa (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 百合花さん» 夢主は目を覚めるかな?松田さん達にも報告しないと怒られそうですね (2018年10月28日 16時) (レス) id: 4b63d11e04 (このIDを非表示/違反報告)
百合花(プロフ) - レモンさん» レモン様、でよろしいですか?コメントいただき、応援もありがとうございます!頑張ります^^ (2018年10月24日 10時) (レス) id: 415b7febbc (このIDを非表示/違反報告)
百合花(プロフ) - 桜さん» 無事にコナンとも再会し、伊達さんの救出もできました!応援ありがとうございます!頑張ります (2018年10月24日 10時) (レス) id: 415b7febbc (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 伊達さんを助けれた!!続き頑張って! (2018年10月24日 8時) (レス) id: 4b63d11e04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:百合花 | 作成日時:2018年8月27日 22時