XXXIV 決戦 ページ46
、
「どうかしましたか?」
「突然すいません。Aはいますか?」
「あら、ごめんなさい。今いないのよ。また今度来てね」
「ねぇねぇおばさん、僕トイレ行きたい!!お願い!」
少年がそう言うとするっと家に入って行った。確かさっきの子……キッドキラーって言われてる子じゃない?妙にあの子に懐いてたし、この“れーくん”に変な事を吹き込まれてないといいけれど
追いかけようとする私を引き留める“れーくん”。この目、只者じゃないわね。まさか警察?そんな筈ない。だって名前によると彼は喫茶店で働いてるただの店員って。あ、………私立探偵。そんな事もぽろっと話していたかもしれない。
「急に驚いた顔して、どうかしましたか?」
「いや、さっきの子に私お手洗いの場所教えていなかったわ。どうして分かったのかしら?」
「確かに。そうですね」
驚かない、ね。さっきの子は一回家に来たことあるから知っていてなんら不思議ではないけれど、そのことは情報共有されていない、もしくはポーカーフェイス。瞳が揺らいでないし表情に動揺が見られない。もしそうならなかなかやる人ね
「さっきの子、遅いわ。様子見てきますからお先に帰っていただけると」
「預けられてる子供を置いていくなんてことできませんよ」
ズカズカと入ってきた。どうしたのかしら?急に。先程まで余裕に微笑んでいた表情に焦りが滲んでいる。大方さっきの子と打ち合わせでもしていたのでしょう。トイレを行く、と言い家の中で名前を探す。時間稼ぎは子の“れーくん”が。
でも、残念ながら貴方たちの負けよ。だって、あの子のところには辿り着けないのだから
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作者名:モカロール | 作成日時:2022年7月20日 21時