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「お時間です、お姫様」
コンコンとノックして入ってくるキッド。取ってつけたような敬語に、貼り付けたような笑顔。まさしく、“作られたもの”と言う感じがする。偽物だ
「お嬢様って……」
「ほれ、お前の制服持ってきてやったぞ。ここからの道はわかるだろ?」
「まぁ。近所だし。持ってきたって、私の部屋に入ったの!?」
「んなの今更じゃねぇか」
それもそうだけどそうじゃない。乙女のプライドズタズタだ。そもそも、こんな近所に怪盗のアジトがあって言いわけ?私の知り合いに警察いますけど?てかほぼほぼ警察関係者ですけど??私が告げ口するとは考えないのかな
「はっ。安心しろよ。ここ本拠地がねえんだから。ほれ、さっさと行けよ」
「そう、なんだ。……行ってきます」
「おぉ、事故には気をつけろよ?行ってらっしゃい」
いつもの制服に着替えてアジトから出ていった。それにしても本当にすんなり、あっさり返してくれたよね。夜ご飯も朝ごはんも美味しかったし。あんな居心地のいいところにいたら、ニートになっちゃうよ
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作者名:モカロール | 作成日時:2022年7月20日 21時