vol.52 ページ6
«赤井side»
そして自分の部屋に向かおうとすると、Aを呼んだ。
「A」
『え、何……』
帰ったら説教、だなんて言ったもんだからAはちょっとビクッとしていた。
まったく……可愛い反応をするじゃないか……
俺はフッと笑いAに近寄り、優しくギュッと抱きしめた。
『赤井さん……?』
「しばらく、このままでいてくれないか」
『……ん、わかった…』
何かを察してくれたのか、Aは腕を俺の背中にまわしてくれた。
抱きしめている腕に力が入る。
失いたくない。
何故かそう思った。
たった数週間で、Aがこんなに大切な存在になっていたなんて。
抱きしめていた力を緩めて、手をAの顎にあてる。
『あかいさん……』
その瞳はなぜか潤んでるように見えた。
そしてAのくちびるにそっと口づけをした。
✱✱
赤井さんに抱きしめられて、ドキドキしちゃう……
なんでだろ、でも赤井さんの心臓の鼓動が伝わってくる。
赤井さんもドキドキ、してるのかな……
そう思ってたら力が緩められて、顎に手をあてられた。
赤井さんの顔が段々近づいてくる。
俺はそっと瞳を閉じて、赤井さんの唇が重なった。
『ん、……っ…』
優しいキス。
そして口を少し開けられ、舌が入ってきた。
『…んぁ……ふ、ぅ…』
なんだかきもちいい、やめたくない。
そう思った。
歯の裏をなぞられ、隙間から漏れる俺の声。
そして唇が離れる頃には俺の息が上がっていた。
「A……」
『あ…かいさん……』
今俺はどんな顔をしているのだろう。
そう思いつつも赤井さんからくる視線を逸らすことはしなかった。
そして赤井さんは俺から離れ、何事も無かったのようにおやすみ、と言って部屋に入っていった。
俺も自分の部屋に入り、ベッドへダイブ。
さっきの出来事を思い返して、顔を真っ赤にさせる。
また、キスされた。
しかも軽いのではなく……
赤井さんは俺の事、どう思ってるんだろうか。
そして俺も赤井さんのことをどう思ってるんだろう。
今までは推しとして好きだった。
でも今は……?
何故かその事が頭から離れず、眠りについたのは深夜3時過ぎだった。
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くろっきー(プロフ) - 大好きだなんて、ありがとうございます!細々と更新していきますので、今後の展開に御注目ください(*^^*) (2021年8月9日 10時) (レス) id: 32e0eb99e1 (このIDを非表示/違反報告)
くろっきー(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます!今後テネシーと男主くん、そして安室さんとの関係に注目です(*^^*) (2021年8月9日 10時) (レス) id: 32e0eb99e1 (このIDを非表示/違反報告)
くろっきー(プロフ) - 亜月さん» コメントありがとうございます!凄い励みになります(*^^*) (2021年8月9日 10時) (レス) id: 32e0eb99e1 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - この作品が大好きです!続きを楽しみに待ってます。 (2021年8月7日 23時) (レス) id: 4142504957 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 続き〜〜凄く気になります〜〜頑張って下さい、デネシーさんとの関係も気になります (2021年8月3日 20時) (レス) id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろっきー | 作成日時:2021年7月17日 23時