人間を愛したかみさま【短編】

帝王の誤算１ ページ5

「何故貴女がここに…？」




————————帝王の誤算————————





ここは地獄。
死後に、赦されない魂が送られる場所。
私は今、その地獄にいる。




惑星ベジータを破壊し、彼女を探した。
私の妻にするために。
しかし一向に見つからず、その過程の中でどんな願いでも叶うというドラゴンボールの存在を知り、永遠の命を求めナメック星へと向かった。
それが、私の運命の歯車を狂わせたのです。


孫悟空。

その名を口にするのも忌々しい。
私はあの下等なサルに敗れた。
その上、生かされてしまったのだ。
このような屈辱は後にも先にもないだろう。
その後、半分以上機械の体で復活を果たした私は、復讐のため地球に向かい、そこで誰かも分らぬ者に殺され、ここに送られてきたのだ。
地獄にはナメック星での戦いで死んだ、ザーボンやドドリア、またギニュー特戦隊の面々もいた。
そういえば、何故かギニューさんの姿だけ、見当たりませんね。
部下たちがいるし、鬼たちは鬱陶しいが私に逆らえるような力を持ち合わせていないので特にここでの生活に不便を感じることはない。

地獄と呼ぶに相応しいあの“お花畑”と、昔殺した忌々しいサイヤ人さえいなければ。








結局、生きているうちに彼女の姿を再び目にすることは叶わなかった。
嗚呼、一体貴女は何処にいるのです。
もう一度会いたい。
それが今の一番の願いです。

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