【◇A】青心寮在住の引きこもり。【逆ハー】 (ページ41)

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BALL40 ページ41

それから保健室に行ったAはボロボロで。

髪はガタガタ、制服はボロボロ、目元は赤く腫れて…さっきまで笑って過ごしていたはずなのに。

慌てた保健医は、高島を呼んできた。

だけどAは、絶対に真希のことを口にはしなかった。
転んだ、木に引っ掛けた、の一点張り。

そんな嘘が通じないのはわかっている。

信じたくない、
親友だと思っていた人があんなことするなんて。

その気持ちが、Aを喋らさせなかった。

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高｢…それから、私がちゃんとその事を知ったのは…Aが喋ってくれたのは2週間後の話。
最初はそれを告発しようって言ったわ。
でもAは絶対に言わない、そのかわりに学校はちょっと休むよって。｣

降｢…いじめ、にならないんですか…｣

高｢いじめよ、立派なね。
Aだってスポーツをやっていたんだから、反撃しようと思えば反撃できた。｣

春｢……それをしないのは、｣

沢｢相手を傷つけないため…？｣

高｢正解。…あの子は優しすぎるの。｣

御｢話そうとしなかったのは。｣

高｢責任感。
喋れば、みんな自分の味方についてしまう。
自分のために動いてくれるのを知っているから、それはフェアじゃないって。｣

伊｢アイツらしいっちゃ、アイツらしいけどよ…。｣

亮｢…本物の馬鹿じゃないの。｣

すると、食堂のドアがガチャっと開いた。

この場所に入ってくるのは、今は彼女しかいない。

｢どうしたの、みんなして深刻な顔…笑｣

彼女の笑顔が、今は何よりも辛い。

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