BALL27 ページ28
倉持と御幸の鉄拳が飛んできて、｢いっつ…｣とジンジンする頭を抑えた。
仮にもAは女子なんだから、もう少し手加減したっていい気がする。
ぷんぷん怒りながら、｢そういうトコが彼女出来ないんじゃないの？｣と嫌味混じりに言う。
もう亮介の隣は懲り懲りなので、しれっと春市の隣に座る。
すると、｢はっはっは、残念だったな。｣と御幸が馬鹿にするよう笑ってAに言った。
御｢残念、俺は割と告白される。｣
｢……は？｣
沢｢そんなこの世の終わりみたいな顔しなくても。｣
｢え、詐欺？女の子にお金渡して、モテる自分を演じてるの…？｣
御｢アホか。普通に告白されてんだよ。｣
亮｢まぁ顔だけはいいもんね。性格は置いておいて。｣
御｢それ割とそのまま返ってきて…｣
亮｢は？｣
御｢いえ何も。｣
｢御幸がモテるの…？え、私 断然倉持派…。｣
倉｢…っは？！｣
突然の巻き込み事故に、ゲームを片付けていた倉持も驚く。
御幸がモテるなんて想像出来ない。
それこそ一年の時は友達が｢好きだ｣とか｢カッコイイ｣だとか言っていたが…。
何故このメガネを外したら誰かわからないような人が好きになるのか。
こんな胡散臭い眼鏡御幸より、彼女には優しくしてくれそうな元ヤン倉持の方がタイプだ。
なんだか考えれば考えるほど、モヤモヤしてくる。
そんな気持ちを追い払いたくて、｢…私寝る。｣と立ち上がった。
｢おやすみ。春市、明日10時に下で。｣と言うと、Aは本当に出ていってしまう。
結｢なんであんなに怒っているんだAは。｣
御｢さぁ…。生理？｣
倉｢それ鈴井に聞かれたらフルボッコだぞお前。｣
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