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6:黒社会最悪コンビの御対面 ページ9

「…そう云えば、君は異能を持って居るのかね?」


帰り道を走る車の中で、不意に父様はそう治に訊ねた。


「……異能、ですか?」

「嗚呼。噂くらいなら聞いた事が有るだろう?

この世には異能を持つ者が少なからず居ると。

実際異能者は存在するし、私もAも異能を持っている」


「えっ、Aは異能を持っているのかい?」


『うふふ、驚いた?でも私の異能は余り良いものでは無いわよ。…それで、貴方は異能を持っているの?』



微笑みそう訊けば、治は首を横に振った。



「分からない。

持っているかもしれないし、持っていないかもしれない」



その話を聞いて、私は少し考える。



『う〜ん…余り変化の無い異能だったりするのかしらねぇ………あ』



そう呟いて、窓の外を見た時だった。

見慣れた姿が歩道の方に見えた。



『お願い、車を止めて』


「は、はいっ!」



運転手に頼み彼等の近くに車を止め、私は車の扉を開けた。

そして、彼等の方へと駆け出す。



「ちょっ、A!急に如何したん____あ」



父様は駆け出す私を慌てて追うと、その先にいる2人にパチクリと瞬きをした。

私は、その2人に向かい大きな声を掛け勢いよく抱き着く。



『姐様、中也!』


「おわっ!?…って何だ、Aか」


「おや、誰か走って来たと思えばAかえ」



2人は私の大事な友達、というよりも私にとって姉と弟のような存在である尾崎紅葉と、中原中也。

昔から、彼等は私と対等に接してくれる。



「鷗外殿とエリス嬢も一緒と云う事は…買い物かの?」


『ええ。因みにもう1人居るわよ』


「もう1人?って誰の事だ?」


「彼の事だよ」



父様がニコリと笑った所で、丁度治が此方へ駆けてきた。



「ちょ、ちょっとA…!ゼェ、置いていかないでよ……」


『治は体力が無いのねぇ』


「見た事の無い(わっぱ)じゃの…もう1人とは此奴(こやつ)の事か?」


『そう、ポートマフィアに新しく入る子。治、彼等は私の姉弟と変わりない人達よ』



そう云えば、姐様は興味深そうに治の方を見た。



「ほぉ、我等の元に入るとな?

(わっち)は尾崎紅葉じゃ。歳は16、姐さんとでも呼んでくれ」


『ほら、中也も挨拶しな?』


「…俺は中原中也、歳は12」


「……私は太宰治、君と同じく12歳だよ」








これが、数年後に『双黒』と呼ばれる黒社会最悪の2人組(コンビ)の初対面であった。

7:人間失格→←5:まるで幸せな家庭のような



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団子 - 面白いです!続きが気になります!頑張って下さい! (2017年11月10日 18時) (レス) id: 565b1876f3 (このIDを非表示/違反報告)
味の素(プロフ) - 更新がんばってくださ〜い (2017年9月6日 17時) (レス) id: d5befd4dfc (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ面白い!続き期待ー!更新がんばれ! (2017年8月19日 2時) (レス) id: 0a6b6d9361 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 鑓さん» この話は『もしも』と私の『想像』の話ですので、原作とは別として考えて頂きたいです。もし原作で太宰さんを勧誘した人が出てきた場合も、別の話として読んで頂ければ幸いです。もし気分を害されたのならば申し訳有りません… (2017年2月14日 6時) (レス) id: c90b0030f9 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、原作に太宰さんをマフィアに勧誘した人が出てきたらどうするんですか?まだ出てきませんが原作ではAの他にもう一人幹部がいる、という設定になってるので勧誘した人が出てくる可能性はそれなりに高いと思うんですけど。 (2017年2月14日 1時) (レス) id: afa2739a1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年10月28日 10時

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