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治がポートマフィアに入り、二年が経った。
首領の病は以前よりも悪化し、ベッドから体を起こす事も出来なくなる程に衰弱してしまっていた。
そして、ヨコハマでの抗争は広がるばかりだ。
ある日、父様は幹部補佐になった私と最有力幹部候補になった治を連れて、首領の元へと向かった。
父様が何をしようとしているのか、私と治は予想がついていた。
首領の寝込んでいる部屋に、父様に続いて入る。
父様は、白の手袋をしながら首領に声を掛けた。
「お加減は
「
首領は、父様や私に目を向ける事無く口を開く。
「幹部に伝えよ、"
「それは、非合理的です」
父様の手の中に
それに気付いているのかいないのか、首領は血走った目のまま言葉を続ける。
「此方が何人死のうと構わぬ……殺せ、
それ程まで敵を殺す事に執着するのは、頭が狂ってしまったのか、はたまた自分の命がもうすぐ消えると察しての事なのか。
それは、分からない。
「判りました、首領」
父様は首領の頸動脈に手術刃を当て、そして
掻っ切った。
首領の血が、壁を紅く染める。
カランと音を立てて、血で濡れた手術刃が床に落ちた。
「……首領は、病により横死された。次期首領に私を任ずると遺言を残されて」
手袋を外し、父様は私達の方へと振り返った。
その顔は血に染まり、表情が無かった。
「君達が証人だ。いいね?」
そして、父様は首領になった。
『…此処二年で随分と色んなものが変わったわね』
「そうだね。君は幹部補佐に、私は幹部候補に、そして森さんは首領になったし、
向き合ったお互い様の机で書類に目を通し乍ら、私達は話をしていた。
『…何だか、少し寂しいような気もするわ。父様も私も忙しくなって余り一緒に居られなくなってしまった』
「…でも、私が居るだろう?」
そう云って、治は笑った。
『…ふふ、そうね』
いつの間にか、君は私にとってかけがえの無い大切な人になっていた。
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団子 - 面白いです!続きが気になります!頑張って下さい! (2017年11月10日 18時) (レス) id: 565b1876f3 (このIDを非表示/違反報告)
味の素(プロフ) - 更新がんばってくださ〜い (2017年9月6日 17時) (レス) id: d5befd4dfc (このIDを非表示/違反報告)
R - めっちゃ面白い!続き期待ー!更新がんばれ! (2017年8月19日 2時) (レス) id: 0a6b6d9361 (このIDを非表示/違反報告)
藤(プロフ) - 鑓さん» この話は『もしも』と私の『想像』の話ですので、原作とは別として考えて頂きたいです。もし原作で太宰さんを勧誘した人が出てきた場合も、別の話として読んで頂ければ幸いです。もし気分を害されたのならば申し訳有りません… (2017年2月14日 6時) (レス) id: c90b0030f9 (このIDを非表示/違反報告)
鑓 - あの、原作に太宰さんをマフィアに勧誘した人が出てきたらどうするんですか?まだ出てきませんが原作ではAの他にもう一人幹部がいる、という設定になってるので勧誘した人が出てくる可能性はそれなりに高いと思うんですけど。 (2017年2月14日 1時) (レス) id: afa2739a1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤 | 作成日時:2016年10月28日 10時