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10:大切なモノ ページ13

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『ふぅ……それで姐様、面白い事とは二人の女装姿の事でしたか』




やっと笑いが落ち着いた処で、私は姐様に訊ねた。

いやぁ本当に面白かった、多分死ぬまで忘れないな。




「その単語口に出すな」

「あと(さっき)撮った写真も消してくれないかな」

『厭に決まってるじゃない』




そう云うと、二人はジロリと私を睨む。

睨んだって消してやるもんですか。
墓場まで持って行くわよ。←




「ふふ、そうじゃ」

『何故二人をあの様に着飾ったのです?』

(わっち)は昔から妹が欲しかった。Aは勿論妹の様に思っておるが、此奴(こやつ)らの顔も整っておるから着飾れば妹に出来る程可愛らしくなるかと思ってな。それとエリス嬢も着物を着たいと申したからのう」

『成程、確かに二人の顔は整っていますしね』

「キモノって綺麗で素敵ね!」

「エリスちゃん可愛いよ!!!」

「そんなお遊びに俺らを巻き込むなよ!!」




ふむ、と頷くと中也が怒鳴った。

褒めた心算(つもり)だったのだけど……と云うよりエリス嬢何時もに増して可愛いわね。←

父様は……うん。←




「黙らっしゃい小童」

『あ、そうだ。姐様、私も着物を着てみたいのですが宜しくて?』

「勿論じゃ!丁度お主に似合いそうな着物を持ってきておいた」

「姐さん、元からAにも着せる気満々だったからねぇ…」




それから、私達は姐様の部屋でファッションショーの様な事をした。

治と中也は再び着飾られ、魂が抜けたかのように脱力していて私は姐様と父様、エリスと四人笑っていた。









こんな楽しい日々が、ずっと続く筈は無い。

私は今迄のポートマフィアとしての経験で知っていた。




どんなに大切なモノも、何時かは崩れ、壊れ、消え、終わる。

だから、執着なんてするべきではない。




知っていたけれど、その時私はこんな時間がずっと続くと思った。









続いて欲しいと、思ってしまった。

11:変化※修正有り(12.10)→←9:太宰治と中原中也の黒歴史



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団子 - 面白いです!続きが気になります!頑張って下さい! (2017年11月10日 18時) (レス) id: 565b1876f3 (このIDを非表示/違反報告)
味の素(プロフ) - 更新がんばってくださ〜い (2017年9月6日 17時) (レス) id: d5befd4dfc (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ面白い!続き期待ー!更新がんばれ! (2017年8月19日 2時) (レス) id: 0a6b6d9361 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 鑓さん» この話は『もしも』と私の『想像』の話ですので、原作とは別として考えて頂きたいです。もし原作で太宰さんを勧誘した人が出てきた場合も、別の話として読んで頂ければ幸いです。もし気分を害されたのならば申し訳有りません… (2017年2月14日 6時) (レス) id: c90b0030f9 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、原作に太宰さんをマフィアに勧誘した人が出てきたらどうするんですか?まだ出てきませんが原作ではAの他にもう一人幹部がいる、という設定になってるので勧誘した人が出てくる可能性はそれなりに高いと思うんですけど。 (2017年2月14日 1時) (レス) id: afa2739a1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年10月28日 10時

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