炎の呼吸の派生 ページ3
鬼だ。
鬼がいる。
確か十二鬼月という強い鬼には数字が眼球に刻まれてたらしいけどこの鬼にはない。
下の方の鬼なのか。
いやどっちにしろ初めて鬼見たし炭治郎も誰もいないし……
私が倒さないと……
思い出せ思い出せ……父が言っていたこと……
生前父が言っていた。
「俺の使っていた呼吸は紅の呼吸って言ってなぁ、何故か分からないが炎の呼吸の派生だったんだよ。どうだ、お父さんが教えてやろうか!出来たらかっこいいぞ〜」
その時の私は目を輝かせて教えてもらったな。
確かあの呼吸は……
「……おい女ァ…来ねえならこっちから行かせてもらうぜッッ……」
飛びかかってくる鬼。
思い出せ思い出せ。
全身が覚えてるはず……
あっ
『紅の呼吸 壱の型 暁の舞』
バシュッ
刀の音と共に首が切れる音がした。
ボトッ
鬼の首が落ちた。
「なんだお前……その呼吸はァッッ……」
鬼が消えていくのを見て私は呆然とした。
『きっ、切れた……切れたぁあああああ!!!』
1人でぴょんぴょんしてしまった。
でも切れた。体が覚えてた。
『えっ私すごくない?え?すごすぎない??』
喋らずにはいられない。
次から次へと言葉が出てくる。
炭治郎に報告したい。その一心で東の方へ向かった。
だが残りの鬼がいるということを知らなかったのが馬鹿だった。
「A!!伏せろ!!!!!!」
突然聞こえてきた声。
伏せようとするとあっという間に無数の糸が私の両脚を切り付ける。
「……チッ」
思考が止まる。他の鬼がいたのか…?
するとまた声が聞こえてくる。
「A、そいつは十二鬼月の下弦の伍の累だ!!気をつけろ!!」
炭治郎だ。炭治郎は他の鬼と戦っている。しかもかなり遠い位置にいる。
手が離せないのか。
「(どうしよう……下弦の伍とか聞いてないんだけど……初任務で下弦?いくらなんでもそれはムリィ!!私が倒せるのか……?!)」
すると下弦の鬼が静かに口を開いた。
「君に用はない……さよなら」
血鬼術 鋼糸
無数の糸が私に向かって解き放たれる。
「(…このまま初任務で死んでいくのか…家族の仇も取れずに…まぁ家族と同じ場所に行けるなら本望だな…)」
諦めて瞼を閉じた。
何かが聞こえた。
炎の呼吸 肆の型 盛炎のうねり
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作者名:もちゃ | 作成日時:2020年2月21日 19時