ブリード本丸 "三"

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「子どもを、売るったり買ったりするの？」






燭台切の質問に




あくまでもAは冷静なフリをする








「するところもある






でも、日本では禁止されてる









私は、ブリーダーや売人を刑務所に入れるために








ブリード本丸の摘発をしていた









…………今になって思えば、本当に






全員殺しておけば良かったと思っているけど」









トン、トン、とまだ幼い"紺の七"を軽く叩いて




眠りに誘う






絶対に聞こえないように





起きたとしても、夢だと思えるように









「……………燭台切、








お前は一体、どこまで受け入れられる？







お前は何処まで知りたい？









好奇心程度の気持ちなら何も知らない方がいい








最悪、心の病だ」









Aは大倶利伽羅にもこの話をしようか迷った







私と、自分たちのしてきたことの真実を






打ち明けるかどうか









しかし、私は大倶利伽羅に何も言わなかった







何も知らない方が彼のためだろうと








まともな人間では耐えられない




自分が善だと思っていた行いが




実際には悪だったことに






それが、底が深ければ深いほど上には登れない









「……どういう意味？」







「…………意味するところは、




頭の切れるお前なら分かるだろ？









お前たちの真実だよ」





そして、私の真実だ




燭台切はしばらく何も言わなかった







考えているのか、ただ呆然としているのか





Aには分からない







Aは燭台切のことを見なかった









「オレが知りたいのは」





やっと声を出した時、すぐに反応出来なかった




空耳のように思えた









「Aの真実だけだよ」






声から怒っているのか憎んでいるのか




そんな思いが伝わってきた







Aは紺の七から手を離し





姿勢を正して燭台切の方を向いて正座した









「私は、ブリード本丸で生まれた」







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紺の七→燭台切の上から七番目の子

紫→歌仙 赤→加州 蛍→蛍丸

青→大和守 白→鶴丸



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