ブリード本丸 "三"

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「……A」




カチャ




燭台切がゆっくりと刀身を抜く





「……失敗した、





今度こそ、上手くいくと思ったのに」






「燭台切も、どういうことなの？」





「…………」




私は答えないで後ろのゲートに触れる




審神者が手を離しているせいで




きっと、三分も保たずに消滅する







「伽羅ちゃん、………どいて」





燭台切の声で前を向く




私の目の前に大倶利伽羅が立っている







「殺す気か？」




「うん、もう、だめだから」




大倶利伽羅も真剣を抜く







「分からないな、お前の考えていることが」






口角だけが上がった燭台切が、大倶利伽羅に襲う





大倶利伽羅もそれを弾く









「大倶利伽羅、ありがとう」





刀の重なり合う音でかき消された






審神者が驚いたように私を見つめた




私も審神者に笑顔を見せる









全てを荒らし回って、事後処理もしないで去る





私は最低な奴だな







背を向けて門に足を踏み入れる









.









.









「あぶない！！」




審神者の叫ぶようなそんな声がして




振り向いたけれど




既にそちら側が見えることはなかった









________________________ガシャン





目を開けると、あの廃れた神社だった




タイルが外れ、隙間から草が生えている




鳥居の塗装も剥がれ落ちていた








「……あれ、」





手の付近に見覚えのないものを見つける









「………………大倶利伽羅？」






大倶利伽羅の本体






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