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達成感などというものには
無縁だった
そして、それはこれからもそうだろう
「先輩も。
私を殺す事でしか、なにも埋まらない」
私は笑うのを堪えて、
変わりにしかめっ面を向けておいた
「……馬鹿なこと言わないで」
「私と一緒じゃ嫌ですか？」
「勿論」
見習いが包み終わったのか
手紙を机の上に丁寧に並べる
「……なに、それ」
「遺書ですよ
最期くらいカッコいい人になりたいですから」
ああ、なんともムカつく
今更、なにがカッコいいだ
お前に今更、カッコいいもなにも無いだろうに
どの面下げて神様に願えば
そんな事が叶うのか
絶対に私は許さない
手紙を取り、破る
見習いは少し不満げな顔をするだけだった
「……ひどいなぁ」
障子に影が映った
「遺書なんて、必要ないよ」
影は直ぐに障子を引く
「殺したってなんの意味もない」
真っ白の髪に服を着た鶴丸国永が立っていた
「……つるまる？」
どうしてそこに立っているの。とでも言いたげな表情だった。
「……主、今まで世話になったな、お前と過ごせて楽しかったぜ」
鶴丸国永は見習いの前にしゃがんでそう言う
「どうして、牢屋に隠れててって言ったのに！」
「お前が殺されるのなんて、オレは耐えられない」
「……鶴丸、」
鶴丸が見習いを恋人のように抱きしめる
「今まで本当にありがとな
オレはこれから政府の方に引き渡されるから
お前と会えなくなるかもしれない
だから、一つだけ約束してくれ
絶対に生き続けてくれ
何があってもどんなに辛くても生きてくれ」
「……絶対、！！絶対、会いにいく！！」
「ああ、約束守ってくれよ？」
そんな甘い声が響いて、
見習いは嬉しそうに頷いて泣いている
私はやっと
笑った
「……じゃあな、主」
鶴丸国永が庭に出る
私は自然と上がる口角をどうにも出来ない
「……主、愛してるぜ」
鶴丸は見習いに向かって笑った直後
自身の刀を折った
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瀬乃 - 読ませていただきました。とても面白かったです。完結おめでとうございます。とても素敵な作品でした。 (2020年4月29日 18時) (
レス) id: 0f6d6f581b (このIDを非表示/違反報告)
面影草(プロフ) - コメント失礼します。ゾクゾクする素敵な作品でした。完結おめでとうございます。このような素敵な作品をありがとうございます。 (2019年11月28日 23時) (レス) id: 50c6120963 (このIDを非表示/違反報告)
大根パンダ(プロフ) - フィンランド製たわしさん» お久しぶりです( ；∀；)完結メッセージありがとうございます。こちらこそこれからもよろしくお願いします。 (2018年5月9日 17時) (レス) id: b6ed6b29af (このIDを非表示/違反報告)
フィンランド製たわし - 完結おめでとうございます。今作品もとても素晴らしかったです。完結してから少し日が経ってしまいましたが、それでも言いたかったんです。これからも是非応援させてください (2018年5月8日 2時) (レス) id: 6be078689c (このIDを非表示/違反報告)
大根パンダ(プロフ) - 莉津さん» コメントありがとうございます(*´∇｀*)影ながらの応援、とても嬉しいです！こちらこそここまでお付き合い頂きありがとうございましたm(__)m (2018年4月25日 6時) (レス) id: b6ed6b29af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大根パンダ | 作成日時：2018年4月4日 8時
