私、四葉です 伍【刀剣乱舞】

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達成感などというものには



どうにも縁がなかった








久しぶりの顔触れに懐かしい怒りが湧く




前に立ち塞がってくる者たちを薙ぎ倒し




死んでいるのか、生きているのかも分からない軀から流れ出た血を踏む









ぺちゃ



そんな水音が鼓膜を撫でる









足を止める








耳を澄ませば、



本丸内で暴れている検非違使の声が聞こえてきた








右目が異様な熱を持って



禍々しいなにかが身体を浸食するのが手に取るように分かる









また、歩き出せば






血に混じって瘴気が漏れ出ていた








目的の場所に着いた時には




目が回るように近くて








遠かった









張られた結界を塵の一陣のように破壊する







血が纏わり付いた手で




審神者部屋を開けた









「……先輩、こんにちは」




真っ白の肌に清浄な空気が、




今では酷く息苦しく思えた







「余裕そうね」




「こんな事もあろうかと本丸の場所変えておいたのに見つけちゃったんですか？



みんなが可哀想ですね」






壊れているであろうこの本丸の刀剣男士達を



他人事のように語った







清く光る見習いが机を見て




何かを書き続ける









「こんな事でしか満たせない心こそ可哀想よ」





「そうですね、






………でも、それは先輩もですよね」





筆を下ろして手紙を綺麗に折っていく









「先輩も。




私を殺す事でしか、なにも埋まらない」






見習いは真っ白の紙を折りたたんでいく






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