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燭台切光忠side
段々と僕の身体に体重をかけてくれる彼女
僕の話が届いていないようだった
そして、寝息を立て始めた
なんだが、安心されているようで嬉しい
まだ、湯船から上がって間もないせいか
彼女の肌は少し汗ばんでいた
無意識に頸窩に唇を当てて
ゆっくりと鎖骨をなぞり
首筋まで這うと少し強く吸う
唇を離すと鬱血痕が残る
「ヤバいな、三日月さんに殺されるかも」
そう呟きながらも抑えが効かず
唇を塞いでしまう
「んっ、ん」
角度を変えて何度も何度も繰り返す
彼女を堪能し終わると
抱き締めて存在を確認する
「…………」
自分のものでない匂いが鼻腔を燻る
これが、彼女の匂い
触感、嗅覚、視覚で深く記憶に残るように抱き締める
彼女の中には力尽くでは触れられない部分があった
そこに触れられたらどれだけ…………
顔を覗き込むと
彼女は死んだように眠り続けていた
また、触れたくなっていく
「……それ以上、近付くな」
低く唸るような声が
冷たい金属音と共に響いた
首筋に当てられた刃から冷気が漂う
「……いつから、いたの」
少し上擦った声で僕は尋ねた
「初めからだ」
底冷えそうな三日月の声が返ってきた
「顔も見たくないと言われたからな
こいつが寝るまで待っていたのだ」
横から手が伸びてきた
彼女を攫うように
僕は咄嗟に強く彼女を握ってしまう
「……なあ、燭台切よ
お主は鶴丸と大倶利伽羅を裏切れるか？」
脳で鶴さんとカラちゃんの顔が鮮明に思い浮かぶ
あの二人の失望した、という顔が
「………しないよ」
そう言いながら、手の力が抜けていく
「そうか、なら安心だな」
三日月が愉快な声で言う
目の前で奪われていく彼女は眠り続けて
三日月はそのまま、彼女を連れて出ていった
さっきまで彼女がいた腕から熱が逃げ
冷えて冷えて、
どうしようもない寂寥感に襲われる
そんな時に鼻がさっきの匂いに燻られる
服に残った微かな残り香が
余計に僕を苦しくさせる
.
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瀬乃 - 読ませていただきました。とても面白かったです。完結おめでとうございます。とても素敵な作品でした。 (2020年4月29日 18時) (
レス) id: 0f6d6f581b (このIDを非表示/違反報告)
面影草(プロフ) - コメント失礼します。ゾクゾクする素敵な作品でした。完結おめでとうございます。このような素敵な作品をありがとうございます。 (2019年11月28日 23時) (レス) id: 50c6120963 (このIDを非表示/違反報告)
大根パンダ(プロフ) - フィンランド製たわしさん» お久しぶりです( ；∀；)完結メッセージありがとうございます。こちらこそこれからもよろしくお願いします。 (2018年5月9日 17時) (レス) id: b6ed6b29af (このIDを非表示/違反報告)
フィンランド製たわし - 完結おめでとうございます。今作品もとても素晴らしかったです。完結してから少し日が経ってしまいましたが、それでも言いたかったんです。これからも是非応援させてください (2018年5月8日 2時) (レス) id: 6be078689c (このIDを非表示/違反報告)
大根パンダ(プロフ) - 莉津さん» コメントありがとうございます(*´∇｀*)影ながらの応援、とても嬉しいです！こちらこそここまでお付き合い頂きありがとうございましたm(__)m (2018年4月25日 6時) (レス) id: b6ed6b29af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大根パンダ | 作成日時：2018年4月4日 8時
