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「とりあえず、ここから出ましょう。」
そう言って、A様の手を取って玄関扉に向かって走っていく。
後ろから人が追ってきている足音がする。
A様と一緒に居られる嬉しさよりも、これからどうすればいいのか、本当にこれで良かったのかという不安が心を支配する。
玄関扉を前にして、俺は躊躇い、止まった。
するとA様は俺を見て少し戸惑った表情をしたものの、指輪を外し、その場に落とした。
「大毅、？私は、、大丈夫だから、」
この瞬間、誰にもA様を渡したくないドロドロとした嫉妬心、A様を心から愛している気持ちが溢れ出した。
俺は頷き、その扉をゆっくりと開けた。
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作者名：ひぃなる。 | 作成日時：2019年6月22日 16時
