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ドアが閉まった後、俺は膝から崩れ落ちた。
涙はとどまることを知らない。
A様を好きで好きで堪らない。
見届けると約束したのだから、行かなければ。
最後のA様からの命令なのだから。
俺は涙を拭って控え室をでた。
会場へ入ればステージの下の、真ん中にあるテーブルにA様のお父様である照史様がいた。
入ってきた俺に気がつくと、軽く微笑んで手を挙げた。
「ああ、大毅、、。君にはホンマにに感謝してる。」
「いえ、なにも、。ご結婚おめでとうございます。」
「それで、大毅に相談なんやけど、一年後にはきっとAと淳太くんとの間には子供が出来るやろうからその子供の執事としてまたここで働いて貰いたいんやけど、どうや?」
きっと、この気持ちに気づいていなければ喜んで引き受けていただろう。
「いえ、すみません、」
「そうか、、。今までホンマにありがとうな。」
コレで俺は解雇という形になるのだろう。不思議と涙は出なかった。
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作者名:ひぃなる。 | 作成日時:2019年6月22日 16時