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俺がクローゼットからでるとA様は淳太様がくれた結婚指輪を見つめて寂しそうに笑っていた。
淳太様が付けた首元のキスマークが俺の事を笑っているように見えた。
ベッドに座り俯いたA様が小さな声でごめん、と呟いた。
堪らず俺はウェディングドレスを捲って、太ももに唇を這わせる。
A様が怖くないように優しくキスマークをつける。
見えない所につけるのが俺の精一杯の悪足掻きで。何だか少し情けなくなった。
A様は感じてくれているのか太ももに鳥肌がたっていた。
『A様。そろそろお時間でございます。』
ドアをノックし、メイドの声がする。
「ありがとう、すぐ行くわ。」
メイドに返事をするとこちらへ振り向いたA様。
「じゃね、元気でね?」
「A様、」
「、っ。大毅ー?幸せになってよね!?」
わざと明るく振舞ってくださるA様。
「っ、、、。」
俺は返事をすることが出来なかった。
だって、俺の幸せはA様が幸せで居て下さることだから。
「私の、、、。私の晴れ姿、ちゃんと見届けてね、?」
「、、。かしこまりました。」
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作者名:ひぃなる。 | 作成日時:2019年6月22日 16時