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路地裏に着き、俺らはやっと足を止めた。
路地裏は思っていたよりもずっと暗く、俺らの未来を暗示しているかのようだった。
「ここで、少し休みましょう、」
「ごめん、ヒールが痛くって、」
先程から、足を気にしていたのはそのせいか。
「気づかなくてすみません、」
「ううん、そんなに痛くないから大丈夫」
そう言うと、俺に笑顔を向けてくれる。
この笑顔は何があっても、守らなければ。
そう思った。
その時。
パンッ
銃声が聞こえる、小瀧と藤井がすぐそこまで来てるんだ。
身体中が恐怖に包まれた。
パンッ
「ひっ、」
近くにあったスチール缶が火花を散らした。
パンッ
「ゔっ、」
「大毅っ、！！、」
俺の左足に激痛が走った。
「お、ここに居ったんや、(笑)」
まるで居ることが分かっていたような楽しげな声色に身体が震える。
1発で死に至らせることも出来るはずな彼らはこの状況を楽しんでいるように思えた。
「そろそろ俺らに捕まっといた方がええんちゃん？」
A様を見ると心配そうな目で俺を見つめていた。
そんな目をさせたいわけじゃない。
少しでも心配を取り除いてあげたいと、俺はA様に笑いかける。
「安心して下さい。俺はA様を置いて死んだりしませんから。」
そう言うと、A様は俺の手を握って、走り出した。
「大毅っ、大丈夫、？？」
撃たれた太ももから下は感覚がなく段々動かなくなっていくのが自分でも分かった。
「大丈夫です。そんな事よりも、早く、早く逃げましょう」
不思議と痛みは無かった。少しでも小瀧と藤井から離れたい。俺は逃げる事に必死だった。
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作者名：ひぃなる。 | 作成日時：2019年6月22日 16時
