・ ページ10
Aside
烏野のサーブから試合再開。それをスガさんがレシーブする。
滝ノ上「ナイスレシーブ！」
田中「(スガさんがファーストタッチ！速い攻撃は無─)」
A「オーライ」
田中「！？」
澤村「(Aがセットアップ！？)」
影山「(Aさんは誰を使う…)」
月島「(この人元セッターかよ…)」
ボールの落下地点に移動し、トスを上げるため跳ぼうとした。だけど──
A「っ！」
──足が、動かない。
鎖でつながれているような、そんな感覚だ。あと一歩が、重い。
滝ノ上「レフト！」
嶋田「ライト！」
嶋ちゃんの方がブロックが少ない。ここはライトに上げるべきなのだろう。
A「嶋ちゃ──」
なんとか跳ぶことができ、トスを上げようとする。だが、“あの記憶”が蘇る。
“けど、そこには”
“──誰も居なかった”
その記憶が、トスを上げようとしたとき、一瞬…頭をよぎった。
A「…っ、たっつん！」
滝ノ上「！…おう！」
繋心「！……」
ブロック2枚だったが、たっつんのスパイクが決まった。
滝ノ上「Aナイストス！」
A「…あ、うん。たっつんもナイスキー」
滝ノ上「……」
嶋田「……」
A「……」
滝ノ上「…ったく、余計なこと考えてんじゃねぇぞ。決まったんだから難しく考えんな！」
A「え、いや別に…」
滝ノ上「顔に出てんだよ！次また凹んでたらぶっ飛ばすからな！いいな！？」
A「いや物騒」
たっつんはそれだけ言うと戻っていった。
嶋田「……」
すると急に背中をバシンッと容赦なく叩かれた。
A「い"っ…！？」
叩かれた背中をさすりながら振り向くと既にそこには居なくて、叩いた張本人である嶋ちゃんは向こうに走っていった。
A「(ふざけんなよマジで…ꐦ)」
叩かれたことで前かがみになっていた身体を起こし、立ち直る。
A「……」
…無意識だった。明らかに嶋ちゃんの方がフリーだったのに。気づいたらトスを上げてて。
A「(あぁ…私──)」
怖いと思った。また、トスを上げて誰も居なかったと思うと、怖くてたまらない。理由はどうあれ、きっかけがどうあれ……私は影山と同じ、経験をしたことがある。だから影山の気持ちは、よくわかった。やっぱり…トスを上げた先に誰も居ないって事実は──心底怖いと思う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 208人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミカサ(プロフ) - すみません！パスワード書いてあったの気づきませんでした！ (2月23日 16時) (
レス) id: a4e2fbbecf (このIDを非表示/違反報告)
ミカサ(プロフ) - こんにちは！一番最初から読みたいのですが、パスワードがかかっていて読めないので、教えて欲しいです！！ (2月23日 16時) (レス) id: a4e2fbbecf (このIDを非表示/違反報告)
大福好き(プロフ) - ヒナどりさん» そうなんですね…私も猫被りまくりですよ笑。続編はあります。←更新は不定期ですが… (2022年5月15日 18時) (レス) id: 80560d8d1d (このIDを非表示/違反報告)
ヒナどり - すみません、間違えました、作品を見させてもらいました。私も夢主みたいに友人、家族にも性格を偽ってピエロみたいな生活をしています。これを見て、自分も頑張ろうと思いました。この続き気になります！これからも頑張ってください！ (2022年5月14日 21時) (レス) id: c8eb7115c1 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナどり - こんにちわ (2022年5月14日 21時) (レス) id: c8eb7115c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：大福モチ | 作成日時：2021年12月13日 20時
