漆 ページ24
「監視?そのただの野良犬が?」
「ただの野良犬じゃなかったんだよ。」
「とても訓練させられてたとか?」
「そうじゃない。」
「じゃあ………機械?」
「そうだ。菅沼が早めに犬の事に気づいて
なかったら、危なかった。」
「機械って、そんなの他の犬が警戒をするんじゃ」
「言っただろ。ただの野良犬じゃない、と。」
「…。」
「私は詳しいことをまだ分かっていない。菅沼、神谷に話してやれ。」
「はい。神谷さん、ここでは説明できないので
僕の部屋で。」
「分かった。」
話し終えると僕と菅沼くんは、甲斐田さんの部屋を跡にした。
それから菅沼くんの部屋に来た。
「で、そのロボ犬って?」
「その犬は…元々、生きていた犬なんです。」
「え?それって………まさかっ!」
「はい。お察し通り、殺されて内蔵を抜き取り
その代わりに機械を入れられて…」
「・・・ひどいな。」
「そうですね。そして、誰がなんのために
こんなことをしているか、ですよ。」
「そうだな…こんなことをするのは……」
あそこしか無いよな…
僕たちの敵、【】
「やっぱりあそこですかね。」
「それしか思い付かないだろ。こんな酷いこと
するのはあそこしかない。」
「あそこの仕業って言うのはボスは…」
「分かってると思うよ。」
「ですよね。そのせいで頭抱えてますもんね。」
「うん。最近メンバーも減ってきてるから戦いは
無理に等しいしね。」
そう、小野くんがいるあの店。
頭抱えてるのはあの店のせいもあるんだよね。
「その減ってる理由ってなんですか?」
「ん?あぁ。菅沼くんは知らなかったね。」
菅沼くんに説明した。
"菊の奏"の事
"菊の奏"がどういう所なのか。
その店の社長が甲斐田さんの元旦那がって事。
そして、急激に減っている理由となる、
小野くんの事…
僕は菅沼くんの事だから
「ひどいですね!僕らの仲間をどんどん減らしていくなんて!」
とか言うかと思ったんだけど。
本人の反応は
「あぁ、皆が働いてるとこの事か!
そうかそうか、小野くんが…」
と・・・
えっ!?
「す、菅沼くん?今"皆"って言わなかった?
しかも小野くんってまるで友達のような
言い方だけど…」
「あぁ、僕、小野くんとは友達ですよ?」
マジか。
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作者名:八雲橙 | 作成日時:2019年2月22日 22時