捌 ページ13
俺達は大図書館の近くにある公園を散歩していた。
「いつもあそこに行くの?」
『いや、火木土に行ってますよ。』
「へぇーそうなんだ。大体はどこの棚にいるの?」
『えっとー…いつもバラバラですね。
動物の本見たり、花の本見たり…あとはまじーと
お話したりしてます。』
「ふふっ」
『え、何か面白いこと言いました?』
「いや、君って女の子が読むような本読むんだなって思ってね。」
『なっ!別にいいじゃないですか!犬とか猫って可愛いんですよ!』
「ごめんごめん、別に君をバカにした訳じゃないんだ。確かに犬猫は可愛いよね。うちの子も可愛いからね。」
『えっ!神谷さんって何か飼ってるんですか!』
「うん。猫を飼ってるよ。ロシアンブルーで名前はにゃんこ先生だよ。まぁ僕はにゃーさんって呼んでるけどね。」
『へぇーいいなー!』
「今度、家に来る?」
『え!?いいんですか!!』
「もちろん。あ、でもうちのにゃーさん人見知りだからなぁ。遠くから見ることになっても許してね?」
『別に構いませんよ。見れるだけで充分です!!』
「本当に女の子みたいだね。」
『俺はちゃんと男です!』
「じゃあ男の娘?」
『普通に男です!!』
「はははっ!分かってるよ!」
『もう!』
(会って数分しか経ってないのにこんなに親しくなるなんて想像してなかったな。
潤や立花くんの時だってこんなに早くは仲良くにはなってなかったのに。
・・・折角仲良くなった人だ。
俺のことは知られないようにしないと。)
『・・・。』
「小野くん?どうしたのそんな怖い顔して?」
『えっ、あ。なんでもないですよ!ちょっと考え事してただけです!』
「そう?もし体調が悪くなったら言うんだよ。」
『はい。でも心配しなくて大丈夫ですよ!俺、あんまり風邪とか引かないんで!』
「おっ!小野くんは強い子だねー」
『えっへん!って俺は子供じゃないですよ!』
「はいはいw」
それから少ししたあと歩いていると、2、3人の男の声が耳に入ってきた。
「おい、あれって"化け猫大輔"じゃないか?」
『っ!?』
「え、まじで!あの誰にも触れさせてくれないって噂の美男子!?」
「おい、隣に誰かいるぞ?」
・・・まずいな。
『神谷さん。お願いがあります。』
「なに?」
『・・・走ってくださいっ!!』
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作者名:八雲橙 | 作成日時:2019年2月22日 22時