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BA「……私が、見たいんです。こんなに才能に溢れた特別な子が、どんな夢のような光景を見せてくれるのか」
きっと、神様に選ばれた子なのだ。
世の中にはたまに、そうやって思わないと説明がつかないくらい、他の人とは違う物を持って生まれてくる人がいる。
Aは間違いなくその内の一人で、歌手として私は、それが羨ましいくらいで。
だけどその分 神様は、普通よりもずっと苦しい試練を与えた。
人より多くを貰ったこの子が、それに見合った器を持ち合わせているのか、確認するように。
或いは、それを堪え忍び はね除ければ 更なる輝きを与えようと、神様すらがこの子の可能性に賭けるように。
勝手に選んでおいて それを理由に辛い目に合わすなんて、それこそ理不尽な話だけど。でも、Aは、確かにそれに打ち勝って。
BA「今回のデビューが無くなったことを、Aは ただの不幸にしませんでした。それどころか、もっと強く輝くようになった。その輝きに、未来を賭けたいんです」
どうか、私にこの子を預けて頂けませんか。
そう言って何度も頭を下げる私に、お母さんは驚いていて。
だけどすぐに、降参したとでも言うように微笑んで、もう一度椅子に座ってくれた。
MM「……私も、意地悪したくて帰ろうって言ってるんじゃ無いのよ。だけど今回の件で、本当にこの会社に娘を預けて大丈夫なものか物凄く心配になって 韓国まで飛んできたの。
こんな状況でそう思うのは、親として当たり前じゃない。Aもそれは、分かるでしょう？」
彼女の言っていることはあまりにも正論で、私達も黙って頷くしかない。
そしてこれ以上無い程に重たい沈黙を破ったのは、
PP「A、これだけは俺からも言っておくけどな。パパは、お前がここに残ったところで、苦しくて辛くて、幸せとは程遠い生活が待ってると思ってる」
ここまでずっと黙って状況を見守っていた お父さん。
PP「……でもな、幸せっていうのは、実は物凄く簡単に手に入るものなんだよ。ただ自分の持っている物に満足して、感謝すればいいんだ。
知ってると思うが、俺はそうやって生きてきた。確かに世に出したCDは売れなくて ジャズピアニストとして成功してるとはとても言えないが、毎週末仲間と集まって楽しくセッションができたら、俺には十分。それだけですっごく幸せで、最高だって毎日思ってるさ」
そう言って朗らかに微笑むお父さんは、正直、強く凛々しいお母さんとはかなり対照的だ。
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ゆゆ(プロフ) - しおんさん» コメントありがとうございます！テスト期間大変だと思いますが、この作品が少しでも癒しになれたら嬉しいです。これからもお楽しみ頂けますように！ (2021年7月16日 0時) (
レス) id: e6590da59e (このIDを非表示/違反報告)
しおん(プロフ) - こんばんは！ほんとにこのお話が大好きで毎日更新楽しみにしてます！テスト期間の楽しみですほんとに！笑 (2021年7月13日 1時) (レス) id: 3cf46177b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - ちさん» お待たせしてしまいましたが、久しぶりに更新いたしました！楽しみにしていてくださって嬉しいです。これからも応援よろしくお願いいたします！ (2021年7月7日 10時) (レス) id: e6590da59e (このIDを非表示/違反報告)
ち - 更新楽しみにしています！ (2021年6月17日 23時) (レス) id: 072283b15e (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて嬉しいです。Twitterまで……！これからも応援お願いします。 (2021年5月25日 12時) (レス) id: e6590da59e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆ
| 作成日時：2021年3月7日 0時
