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『ジェヒョン……』
その腕の中で向き合えば、気の利いた言葉のひとつも浮かばなくって。揺れる瞳を覗いたまま、少し弾力がなくなった気のするその頬を手のひらの中におさめることしかできない。
プライドが高くて強がりで、滅多に泣かない彼の涙が私の指先を伝う。隠す気も無く、止めどなく溢れるだけの涙は、離れていた時間の、現実離れしたつらさを表していた。
JH「待ってたよ、ずっと」
確かめるように何度も名前を呼んで抱き締めてくれるジェヒョンに、すがり付いて背中に腕を巻き付けて。
生きていられる今に、心から感謝した。
彼のくれた「会いたい」のメモだけを支えに、その恋しさを押し殺してきた一ヶ月だったから。
ようやく会えたこの瞬間、苦しさを全て埋めるように求め合う。
涙に濡れて顔に貼り付いた髪を避けてくれる指先が、離れていってしまうのさえ怖い。
やっと再会できたというのに、また彼を失うかもしれないという植え付けられた恐怖が私を臆病にして。
止まりかけたはずの涙がまた溢れて、その腕を引き留めるために掴んだ手も震えて。
私が言葉にできないそんな気持ちを全部、分かってるよ、と言うように微笑んでくれるジェヒョンが、ただただ好きだと思った。
JH「何もしてあげられなくてごめん…… でももう、二度と離さないから」
そんな甘い言葉を紡ぐ唇が、そっとおでこに降ってきて。
柔らかいあたたかさは、何度もした夢の中のキスとは、とても比べものにならない。
『何言ってるの…… ジェヒョンが待ってくれてたから、頑張れたんだよ』
……つい数分前まで、その顔を一目見れたら十分だと思っていたはずなのに。
いざ目の前にすると、そんなキスじゃ、全然足りない。
その首に腕を回して、ぐっと距離を縮めれば、ジェヒョンは困ったように笑うけど。
唇を寄せた私の輪郭を、まだ離れたくないと言うように包み込んだ。
角度を変えて重なり合う唇も、優しく頬を撫でてくれる親指も、全ての感覚を脳裏に焼き付けるように味わう。
瞳を閉じても触れる熱さが、私が生きている証。
やっと日常が帰って来たことを実感して、ああ、今日は何度だって涙が溢れるな。
HC「おーーーい！いい加減に怒りますよーーー！」
と、ヘチャンの怒号が響く。
……いや、まあ、実はさっきからメンバーが騒いでいるのは気付いていたんだけどさ。
でも今日ばっかりは、何しても許されそうじゃない？
DY「許されないから！カメラ！回ってるし！！！」
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ゆゆ(プロフ) - 冴木薫さん» コメントありがとうございます！腑に落ちて良かったです……！笑 個人的には、公私の境が曖昧な芸能界で人生を送らなくてはならないアイドル達が、少しでも生きやすい、ファンの理解のある世の中になればと願うばかりです。これからも応援よろしくお願いいたします！ (2020年12月3日 13時) (
レス) id: e6590da59e (このIDを非表示/違反報告)
冴木薫(プロフ) - ミッキーマウス最強アイドル論、めちゃくちゃ腑に落ちました…いつも楽しく読ませていただいてます！これからもベプカップルおよびゆゆさんをずっと応援しています…！ (2020年12月3日 10時) (レス) id: 3ed73169f6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し26462号(プロフ) - お返事ありがとうございます(; ; )いつも本当に楽しみにしてるので嬉しいです！精一杯応援させていただきます！笑 (2020年12月1日 20時) (レス) id: d4735a79a2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 名無し26462号さん» コメントありがとうございます！そうですよね、特に最近切ないところ多いので…… 更新頑張るので、幸せになれるよう応援おねがいします……！ (2020年12月1日 1時) (レス) id: e6590da59e (このIDを非表示/違反報告)
名無し26462号(プロフ) - 毎回泣いちゃいます！笑面白くて大好きだけど、早く幸せなお話読みたいです泣泣これからも楽しみにしてます〜！ (2020年12月1日 1時) (レス) id: d4735a79a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆ
| 作成日時：2020年11月23日 0時
