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『ジェヒョナ〜、入っても良い……？』
私の部屋にあったキャンドルを持ち、返しに来た、という名分を用意して部屋をノックする。
廊下の曲がり角からは他のメンバー達が顔を出して見守っていて、行け行け！と無音声で訴えてくる。これが応援なのか冷やかしなのかは微妙なところだ。
心なしか普段よりも重めに感じる足音が近付いて来て、ガチャリと扉が開いて。
JW「きゃ！」
JN「見ちゃダメ！」
中から腕が伸びてきて、私を部屋に引っ張り込んだ。
ドアが閉まる瞬間に乙女な声が聞こえたきがするけど、部屋の中で突然抱き締められてしまった私はそれどころではない。
ジェヒョンは何も言わず、ただぎゅっと私の頭を自分の胸に押し付けた。
さっき彼の鼓動を聞いた時より、何倍も早く、力強い音が聞こえて。
JH「……先に謝っておく。ごめん」
ジェヒョンの心臓も 私の心臓も、競うようにその熱を上げ行くのが分かる。
彼は私の頬を両手で包んで、そっと唇に、触れるだけのキスを落とした。
こんなに優しいキスをするのに、どうして謝るの？
こんなに温かい瞬間なのに、どうして泣きそうになるの？
JH「……ごめん、ただの嫉妬。俺、そんな立場じゃないのにね」
その愛おしい瞳を困らせて、ジェヒョンは私の髪を撫でる。
『……ジェヒョンは私の夫なのに？』
JH「A、俺は本当の夫じゃないよ」
私を抱き締めれば安心すると言ったはずの彼は、今まで見た中でいちばん不安そうな顔をしていて。
JH「二人並んだ姿が、大切なファンを傷付けることしかできない。そのせいで大切にしたいAのことまで傷付けてしまう。
そんな俺は、Aの本当の夫になんてなれないんだよ」
私の頬を溢れる涙が、ジェヒョンの手を伝った。
昨日からの騒動で、実際に怪我をした私よりもずっと傷付いていたのは、やはりジェヒョンなのだと思う。
だって彼もまた、私とよく似ているから。
私達はいつも、自分より、誰かが傷付くことの方がずっと怖い。
『……私達の夢は、ファンを幸せにすることなのにね』
一生一緒に、夢を見続けようと、約束した。
でもその夢は、一緒にいたら叶わなくなってしまいそうで。
電気もつけずに暗闇の中抱き合った私達は、この先に進むべき道を見失って、その暗黒の宇宙に、飲み込まれてしまいそう。
存在を確かめ合うようにどちらからともなく唇を寄せて、お互いの思いが痛いほど伝わるのに、私は涙が止まらなかった。
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ゆゆ(プロフ) - ひかるちゃんさん» コメントありがとうございます！そんな風に言っていただいて本当に嬉しいです。最後までそう思っていただけるように頑張ります！ (2020年10月25日 18時) (
レス) id: e6590da59e (このIDを非表示/違反報告)
ひかるちゃん(プロフ) - まじで構成も良いし面白すぎる。歴代史上最高に好きな作品！です！！ (2020年10月25日 13時) (レス) id: a4b03772ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - まりあさん» コメントありがとうございます！1Dさんの曲、早速調べて聞かせていただきました……！とても素敵で、こんな素敵な曲を思い出す物語だと思っていただけることが嬉しいです。これからも応援よろしくお願いいたします。 (2020年10月24日 10時) (レス) id: e6590da59e (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - このお話見ると1Dのperfectっていう曲思い出します。めっちゃ好きですー！！！ (2020年10月24日 9時) (レス) id: 6ef14b21ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - Fly2daskyさん» コメントありがとうございます！応援していただいて本当に嬉しいです。これからも楽しんで読んでいただけるよう更新がんばります！ (2020年10月23日 2時) (レス) id: e6590da59e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆ
| 作成日時：2020年10月16日 23時
