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こっちの気も知らずにそのキャンドルをベッドサイドに置くと、ジェヒョンは雑に隣に腰を掛けて、それと同じ人とは思えないほどに優しく私の腕を擦った。
JH「心配だった」
『……ああ、こんなアザ大したことないよ』
JH「そうじゃなくて。怖かったでしょ？」
彼はぐいっと私を引き寄せて胸の中に収め、私の肩に顎を乗せる。
一応怪我人だと分かってるのか？という強さだし、この状況でよくできたなと思ったけど、本当に下心無く心配してくれているらしい。
キャンドルも、単純に私を安心させるために持ってきてくれたんだろうな。揺れる炎は心を落ち着ける。
それにしてもお前の好きな香りはいちいちエ ロいんだよ、紛らわしい。
昨日、髪を引っ張られて転んで、その腕を揉みくちゃな中の誰かに踏まれてアザになって、痛いけど大したことはなかったんだけど。
怖かったのは確かだ。
別にそんなんじゃ死ぬわけ無いって頭では分かってるのに、誰かに「殺されそう」という予感にどうしても身震いして。
あの後腰が抜けたようにへたりこんで立ち上がるのが大変だったし、ここへ帰って来ても、耳に残るノイズが煩くてあまりよく眠れなかった。
『……私で良かった。マクじゃなくて』
JH「Aでもダメだよ。あんなの、正気じゃない」
『でもマクちゃん怖かったと思う。大人になってるって分かってるけど、やっぱり私が守ってあげなきゃいけないのに、怖い思いさせちゃった』
JH「それもAのせいじゃないし、転ばされたAは自分のこともちゃんと心配してあげないと」
トントンと背中を叩いてくれるのが心地よくて、部屋に広がるキャンドルの香りと共に、私の不安も溶けて行く。
JH「……A、俺だってAを守ってあげたいんだよ。Aがすごく強いのは知ってるけど、それでも何かがAを傷つけやしないか、いつも心配してる」
そう言ったきり声がやむと、ドクドクと、ジェヒョンの心臓が動く音だけが耳に入る。
彼が一生懸命に生きている音を聞くと、普段気付かない命の有限を感じて、よけいに儚いものに思える。
その鼓動が、力強い身体を支えるにはあまりにも心許ない気がして、また怖くなって強く抱き締めた。
『私だって、いつも心配してるよ。ジェヒョンにはいつも 世界でいちばん幸せでいて欲しいから』
普段より弱っている今の私には、触れ合うことでしか癒せない部分があるようで。ただ、その存在を確かめるようにジェヒョンにすがり付いた。
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ゆゆ(プロフ) - ひかるちゃんさん» コメントありがとうございます！そんな風に言っていただいて本当に嬉しいです。最後までそう思っていただけるように頑張ります！ (2020年10月25日 18時) (
レス) id: e6590da59e (このIDを非表示/違反報告)
ひかるちゃん(プロフ) - まじで構成も良いし面白すぎる。歴代史上最高に好きな作品！です！！ (2020年10月25日 13時) (レス) id: a4b03772ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - まりあさん» コメントありがとうございます！1Dさんの曲、早速調べて聞かせていただきました……！とても素敵で、こんな素敵な曲を思い出す物語だと思っていただけることが嬉しいです。これからも応援よろしくお願いいたします。 (2020年10月24日 10時) (レス) id: e6590da59e (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - このお話見ると1Dのperfectっていう曲思い出します。めっちゃ好きですー！！！ (2020年10月24日 9時) (レス) id: 6ef14b21ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - Fly2daskyさん» コメントありがとうございます！応援していただいて本当に嬉しいです。これからも楽しんで読んでいただけるよう更新がんばります！ (2020年10月23日 2時) (レス) id: e6590da59e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆ
| 作成日時：2020年10月16日 23時
