さんびゃくにじゅうきゅう。 ページ30
シャボンディ諸島はヤルキマン・マングローブというマングローブの仲間が集まってできた諸島。
マングローブってのは海の干満で根っこが水上に出たり海の中に入ったりする木の事なんだが。…このヤルキ(略)は大きい種類だからね、島に相当する大きさなのだ。地面は根っこ。
というわけでシャボンディ諸島に上陸。44番GRは民間の入り口だから海賊の僕らがそこに船をとめるのはちょっとまずいという事で44番よりちょい奥にいった41番GR。
シャボンディ諸島の島と島は必ず橋で繋がってるから、番号を覚えとけば迷子にはならない。
まあそれでも迷子になるやつは居るが。
「うわ!地面からシャボン玉が出てきた!!」
「どういうしくみ?」
「このヤルキマン・マングローブの根っこから特殊な天然樹脂が分泌されてるんだ」
「…やだ、ベタベタするわ」
「つけんな!」
「名言炸裂。」
「どこがだよ!?」
ヤルキ(略)から出てくる天然樹脂はロビンが言ったとおりベタベタする。地面である根っこが呼吸するときに、その樹脂が空気を含んでシャボン玉ができる。地面から出てくるシャボン玉の出来上がり。
……めっちゃ説明したな僕。
「おい、遊園地が見えるぞ!行こう!観覧車乗ろう!!」
「遊園地!?」
「シャボンティパークだよ」
「…ルフィ、上まで行き過ぎないでよ!落ちるから!」
「?わかった!!!」
わかってないなあいつ。
まあバカは放っておこう。
ここに立ち寄った目的は最初から「船をコーティングしてもらう事」。コーティングしてもらえれば船で海を進む事ができる。むしろそうしないと海を進めない。
ただ、腕の悪い職人に当たると船も人間も海中で大破、そのままジ・エンド。
ハチの知り合いに信用でき、かつ腕のいいコーティング職人が居るからその人にやってもらうんだと。ありがたい。その人って確か”冥王”ですよね。まあでもやってもらえればいいや。
「……そのかわり、1つだけ約束を守ってほしいんだ」
「おう、なんだ?」
あ、ルフィ。いつの間に落ちてきてたんだい。
「町に入ると『世界貴族』が歩いてる事がある」
「誰だそれ」
「聖地マリージョアのニンゲン。」
「ふーん。そいつがどうした」
「…この島ではね。『世界貴族』が全てなんだ。島だけじゃなくて、世界全体がそうなんだけど。まあ何が言いたいかっていうと……たとえ目の前で人が殺されても見てみぬ振りをしろよって事。」
333人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あんちょび | 作成日時:2022年9月27日 17時