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さんびゃくじゅうさん。 ページ14

要は形だけなんだ、あいつは。
それでも話しかけてくるもんで。見ろお陰様で皆に「何言ってんだこいつ」みたいな目ェされたじゃんか。

「………………」
「…サンジィ、ご飯まだァ?」
「もうちょい待て」
「あいあいさー」

このしー…………んっていう空気を知らないっていいよね。
皆なんか下向いたりだとか気まずいような空気醸し出してる。そして誰も動かない。だから僕のせいじゃないじゃん。何で僕ばっかり気まずい思いしなきゃなんないのさ。

「……仕事とかはしなくていいのかい?自分で呼び寄せておいて何言ってんだみたいな話にはなるけれど…………例えば、ナミさん。外の天候とか空気とか。大丈夫?一応外に船長が居るから明らかな変化とかは教えてくれるだろうけど。」
「……あ、ああ…そうね。外見てくるわ」

忘れないでくれ?航海士の仕事ってけっこう重要だからさ。いや人間忘れる事もあるから何とも言えないけれど……航海士の仕事ってけっこう重要だからさ?

そして、ナミさんが動いてくれたおかげで誰も動かなかったこの空気が動いた。それぞれの持場やらなんやらに行くとかなんとか。
フランキーに棺の事について念を押、そうと思ったらもう作り上げていたらしい。仕事早すぎ。優秀。

ただ、見聞色で察知する限り、最初に部屋から出ていった船長はミリも動いていない。
本当にミリも動いていない。
マジで。
あの、十歩くらい歩けば何か問題を引き起こしてくる上に秒も同じところに居ることができないあの船長が。

ミリも動いていない。
ずっと船首の上に座って何もしていないんだ。釣りをしているわけでもなく。
なんかこういうの怖いんですけど。アレだよ、青キジ戦の時と同じ嫌な感じ。嫌な、っていうか……気まずいっていうか。


いやだから何で僕が気まずい思いをしなきゃなんないんだよあああもうなんかもう本当嫌だこの空気!!

「おら、できたぞ朝メシ。時間的にはもう昼メシでも遅くはない時間だが…………何やってんだお前。天井向いて」
「イヤ特に何も。朝食いただきます。」
「おー食え食え」

サンジのご飯はおいしい。
和食だった。鮭の切身と味噌汁と漬物と白米。うまい。

「……何でサンジが和食知ってんのさ。」
「あァ?マリモの野郎にこんなん作れって言われたんだよ。お前も知ってんのか?」
「ん、一つ前の世界と最初の世界で食べてた。うまいっす。」
「……そうか」
「そうだ。」

今までサンジが和食出してきた事なかったから…びっくりした。

さんびゃくじゅうよん。→←さんびゃくじゅうに。



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作者名:あんちょび | 作成日時:2022年9月27日 17時

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