さんびゃくいち。 ページ2
「…あ、そういや聞きたい事が1つあったんだった。答えてね」
「はー?誰が」
「王下七武海のゲッコー・モリアに…実験体を2人くらい渡した?」
「ああ…そういや渡してたけど。何、なんで気になんの?怖っ!」
…確定、だな。モリアの言ってた「取引相手」はこいつらだ。
……やっぱり、兄の方はもう少し苦しめてから殺せばよかった。情報を聞き出してから、とか。ああ、もっとやり方あったな。
「なんで渡した」
「……それこそ『は?』なんだけど。何、君の知り合いだった?」
「…俺の後輩だ」
「…………はっ……?は、ははははは!!!何それ!?!!チョーウケるんですけど!!先輩後輩揃っておれらに捕まってたの!!??ダッサ!!」
「何で渡した?答えろ、ってさっき言った」
「んなん実験体として使えなくなったからに決まってんだろ!?っひひ、まってウケる!」
「自我がないように見えたけど。薬でそんなことまでできんの?」
大爆笑している、自分の今の状況が分かっていないであろう弟が全部喋ってくれた。
まず、自分の命令に忠実に従う”駒”が欲しかった、と言った。”駒”を大量生産できれば自分らは戦わないでもよくなる。実験体だから別に死んでもどうでもいい。
そこで、新しく入る事になった…七海と灰原、に、色々実験することにしたらしい。
自分で考えることをさせないために、脳に働きかける薬。
決まった人間の声しか聞き取れないようにするために、聴覚に働きかける薬。
主な薬はその2つだけらしいけど、試行錯誤していったら本当に”決まった声の命令にしか反応しない”駒が出来上がってしまったとか。
ご飯を食べるのも、水を飲むのも、戦うのも。
いちいち命令しなくてはならなくなってしまって、それが面倒になった、と言う。
丁度近くに時々死体を提供していた王下七武海のゲッコー・モリアが居たので、そこまで行ってあの2人のデータを一定期間ごとに提出する事を条件に譲ったらしい。
使えなくなったあの2人を、最後までうまく使うために。
………………ね。
なんて言えばいいんだろうこの感情。
「最初の頃は大変だったよ!?向こうから『使えない』ってクレーム入ってさァ!!一応能力者だったし強いことは強いよ、戦闘面ではむちゃくちゃ強いよってなんとか説得「ああ…うん、もういいやお前。死ねよ」」
まだ何か喋っている弟に向けて、術式を発動する。知りたかった情報は得たし。
…めちゃくちゃ早く決着ついたね。
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作者名:あんちょび | 作成日時:2022年9月27日 17時