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能力者になったはいいものの、何の能力かは未だにわからない
試しに木を殴ってみても、手を叩いてみても頬を引っ張ってみてもなにも起こらなかった
明日からは１ヶ月、島中の景色を見て回る
もうすぐお別れか、そう考えながら名前は眠りについた
.
.
.
これは、夢だろうか
ふらふらとさ迷う人間、後ろには薄暗く、そして異様な雰囲気を放つ洞窟がある
高くなった気がする目線に違和感を抱きながら、洞窟の方へ足を進めようとした
また何か違和感を感じる
自分は今、しっかりと二足歩行をしているだろうか
ゆっくり、ゆっくりと目線を下ろす
其処にあったのは二本の犬のような脚
真っ黒な毛で覆われた其に目を見開いた
慌てて近くにあった水溜まりを覗きこんだ
そしたらどうだ、水面に写るのは真っ黒で大きな狼のような犬
真っ赤な目はまるで血のようだ
首には見るからに頑丈そうな鎖の首輪
ベッタリとこびりついている赤黒いナニカ
血だ
焦っているはずなのに、自分は今犬なんだと理解したからか嗅覚が研ぎ澄まされる
先程までは気にならなかったはずなのに、洞窟の方からは嗅いだことのない異臭がした
洞窟から離れようと歩き出す
しかし、首輪をされているお陰で洞窟からはこれ以上離れられない
どうにかして首輪をはずそうとまだなれない手で首輪を引っ掻いた
首を掠める鋭い爪、夢の中の筈なのに痛みを感じた
怖くてたまらない
助けて！父さん、母さん！！！
心の中でそう叫びながら繋がれているのと反対方向に鎖を引っ張る
ガチャン、ガチャン！
音が響く、首はもう千切れてしまいそうなほど痛い
ボロボロと涙がこぼれて、その場に倒れ込んだ
瞼が落ちてくる
早く、早くこんな夢から覚めて…
そうして俺は意識を飛ばした
.
.
.
勢い良く起き上がれば、そこは自分の部屋のベッドの上
そとはまだ真っ暗だ
荒い呼吸を繰り返しながら慌てて自分の腕を見た
犬じゃない
ほ、と安堵の息を吐いたのも束の間
首に痛みが走る
だらだらと冷たい汗が流れた
ベッドから飛び降りて窓に写る自分の首を、目を凝らして見つめる
其処には真っ赤な首輪の痕
あの時引っ掻いた爪痕からは血が流れている
見間違いじゃないのか、そう思い爪痕を手で押さえた
ゆっくりと掌を見てみれば、其処にはべっとりと生温い血が付いていた
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yozakura - すいませんガチで泣きました(泣)良い話ですね (2020年5月1日 8時) (
レス) id: c24485d68c (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - さーちゃんさん» 読んでいただきありがとうございます！！名前変換ができるようにしているんですが…、私の端末では変換できるのですが、名前を入力してもできないですかね？(涙)教えてくださりありがとうございます！頑張ります！！ (2019年9月29日 12時) (レス) id: 9854bed933 (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃん(プロフ) - 名前変換ができてないです。変換されてないページは､最初から最後までの話の中の"名前"を使う時全部です｡変換する場合は､かっこをつけないと変換できないです…生意気ですみません!お話は､物凄く良くて号泣しました｡とても良い作品です!更新頑張って下さい！ (2019年9月29日 11時) (レス) id: 577dc20b2d (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - ユウさん» 読んでくださり、ありがとうございます！！！そう言ってもらえて嬉しい限りです(涙)私も書きながら泣きました()ありがとうございます、頑張ります！！！ (2019年9月16日 18時) (レス) id: 9854bed933 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - めっちゃ感動しました。本気で泣きそうになりました...。こんな文章を書けるなんて凄いです！尊敬です！更新頑張ってください！！ (2019年9月16日 17時) (レス) id: ed90e02b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2019年9月13日 1時
