風邪と本音 ページ30
犬と言っても体は大きく、それに首もとには赤黒い血がこびりついていて気味が悪い
いつも親父の椅子のとなりで丸まってごろごろしている
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そんな日が続いて数日、今日は起きてからずっと頭が痛い
能力を制御できなくて耳が露になる
親父の部屋に入ると、親父はすぐに俺の異変に気づいた
白「名前、おめェ、風邪でも引いたか？」
貴「…、引いてない」
こんな嘘バレバレだろう
親父はいつかと同じように俺をつまみ上げて膝に乗せた
白「…能力を制御できてねェみてェだが？」
貴「引いてない」
俺が頑なにそう言うもんだから親父は諦めたのか溜め息を吐いた
俺は親父の胸元へ頬を擦り付ける
貴「…、親父」
白「グララララ、なんだァ、頭がやられたかァ？」
頭を撫でる手が気持ち良くて、目を細める
貴「俺、…エースが羨ましいんだ」
親父は黙ってる
貴「まだ見たことないエースのために、…父さんは、海兵であるじいちゃんに頼んでまで…、…母さんは命を懸けてまで…、…エースを守った」
白「…」
貴「ちゃんと、俺も愛されてたのに…、……母さんの言葉がいつも、……俺を、苦しくさせる…」
「名前、…エースを、…お願い、ね」
涙が頬を伝って手の甲に落ちる
貴「…エースは、何も知らないから…、父さんのあんな噂を聞いて、父さんを憎むのは良くわかるけど、…、……父さんは生きていたら、俺もエースも同じように愛したと思う…、…」
貴「それでも、…命を懸けてまで守られた、エースが羨ましくて、なのにエースは父さんを恨んでて、苦しくて……俺がエースを守るなら、俺は誰に守られたら良いのって…、誰を頼りに生きたら良いのって…、エースを守ったら俺は終わりなのって…」
貴「こんなこと、考えたくもないのに…、…。どうしようもなく羨ましくて、憎くて、…それでもエースが、…愛しいんだ」
親父は俺の話を黙って聞きながら頭を撫でてくれる
貴「エースはもう、俺より強くて、守ってくれる兄がいっぱいいるから……、…、…俺は、早く……父さんと母さんの…所にいきた、い…」
その言葉を最後に熱でやられたのか、俺は眠りに落ちた
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白ひげ side
こいつの話を聞く限り、今まで甘える相手が居なかったんだろう
悲しくもあり、寂しくもあった名前の感情が聞き取れた
しっかりと愛を与えてやらなきゃいけねぇ
俺は腕の中で眠る名前の頭を優しく撫でた
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yozakura - すいませんガチで泣きました(泣)良い話ですね (2020年5月1日 8時) (
レス) id: c24485d68c (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - さーちゃんさん» 読んでいただきありがとうございます！！名前変換ができるようにしているんですが…、私の端末では変換できるのですが、名前を入力してもできないですかね？(涙)教えてくださりありがとうございます！頑張ります！！ (2019年9月29日 12時) (レス) id: 9854bed933 (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃん(プロフ) - 名前変換ができてないです。変換されてないページは､最初から最後までの話の中の"名前"を使う時全部です｡変換する場合は､かっこをつけないと変換できないです…生意気ですみません!お話は､物凄く良くて号泣しました｡とても良い作品です!更新頑張って下さい！ (2019年9月29日 11時) (レス) id: 577dc20b2d (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - ユウさん» 読んでくださり、ありがとうございます！！！そう言ってもらえて嬉しい限りです(涙)私も書きながら泣きました()ありがとうございます、頑張ります！！！ (2019年9月16日 18時) (レス) id: 9854bed933 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - めっちゃ感動しました。本気で泣きそうになりました...。こんな文章を書けるなんて凄いです！尊敬です！更新頑張ってください！！ (2019年9月16日 17時) (レス) id: ed90e02b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2019年9月13日 1時
