親父 ページ29
。
エースはこの船に乗ってからずっと、親父を海賊王にするために頑張っていた
でも親父はラフテルとか海賊王とか、あまり興味がないらしい
白「俺ァ、御前らと一緒に居れるなら其だけで幸せだァ！！」
この船に乗るやつ全員、この声を聞いて雄叫びをあげた
その日はいつもよりもやかましい宴だった
皆甲板で雑魚寝した
.
.
.
冥界の入り口
今日は皆で騒いだから気分が良くて、いつもの倍くらい吠え散らかした
無我夢中で吠えていると俺たちの大事な親父が此方へ向かってあるいてきた
心臓が止まるかと思った
信じたくない
さっきまで、一緒に笑ってたじゃないか
次はどの島にいこうかって、話してたのに
喉が裂けてしまいそうな程の声量で吠える
それでも、親父と目が合うことはないんだ
白「…名前？」
見えてないはずなのに、ゆっくりと俺の方へと歩いてくる
淡い期待を抱きながら吠え続けた
吠える俺に気づくはずもない親父は、本当は見えてるんじゃいの？って思うほど俺のすぐ傍に腰を下ろした
駄目だよ、今すぐ引き返して！！
そう思いながら何度も叫ぶ
白「…名前、俺ァ本当は気付いてたんだ、もう長くねェってな」
弱音を吐くように呟いた親父
嫌だ、そんなこと聞きたくない
白「他の息子達はもう気付いてる、なんてったって俺の自慢の息子達だからなァ」
グララララ、と笑う親父
そういえば宴の時、マルコやサッチが悲しそうな顔をしているのを思い出した
白「すまねェな、名前、先にロジャーの元へ行くのを許してくれェ」
悲しそうな、嬉しそうな
そんな表情を浮かべながら親父は言った
白「なに、御前のせいで死ぬんじゃねェ。こうなることは随分前から気付いていたさ」
親父は立ち上がった
白「そろそろ行くかァ…、……、ありがとよ、息子達」
振り返ってそう言ったあと、親父は洞窟の方へ足を進める
コートや脚に噛み付こうとしても、すり抜けていく
鎖はもう伸びなくて、これ以上親父の方へ行こうとすると首がしまる
それでも
それでも俺は、親父を止めたかったんだ
帰ってきてくれるって信じてた
...
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みょん - 何年も前にこの作品に出会った時から本当に大好きで、何回も読み返しています。そして何回も涙してしまう……。素晴らしい作品をこの世に生み出して頂き、本当に感謝しかないです。 (3月15日 1時) (
レス) @page33 id: c2e813967a (このIDを非表示/違反報告)
きゃとぅーん(プロフ) - 遅ればせながら読ませていただきました！めちゃくちゃ感動しました！素晴らしい作品作ってくださり、ありがとうございます！ (2022年3月17日 12時) (レス) id: 805966ddfb (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - TOMOさん» 読んでくださり、ありがとうございます！！そう言ってもらえて本当に嬉しいです(涙)(涙)(涙)これからも頑張ろうと思います！！！ (2019年9月23日 3時) (レス) id: 9854bed933 (このIDを非表示/違反報告)
TOMO(プロフ) - ぶっちゃけね？ めっちゃよかった。泣いたわ。真面目に泣いた。目から水よ。ウォーター出てきたよね。面白かったです！ (2019年9月23日 1時) (レス) id: 4e3515e76d (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - ユウさん» 読んでくださり、ありがとうございます！！！しっかり水分補給してください！！笑皆さんが楽しめるような作品が作れるよう頑張ります！！ (2019年9月19日 21時) (レス) id: 9854bed933 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2019年9月16日 12時
