曰わく付きの物語 ページ24
与謝野はある事件を捜査していた。
刑事曰く、殺人事件の現場にのみ存在している謎の青年がいるという。
彼と出会えば死ぬのか、あるいは｢死｣あるところに彼が現れるのか。
「それで、『死』から一番近くて遠い妾に白羽の矢が立ったッて訳かい……」
若干不満気ではあったが、与謝野はその青年を探すことにした。
そして、捜査二日目にして早くも問題の青年を発見した。
「……君が、俺のことを探しまわってる人だね。こんにちは」
「アンタが殺人現場に居るッていう、趣味の悪い男かい？」
「君に云われたくはないなぁ。でも、君の云ってることは半分正解。俺がお尋ね者の西尾維新だ」
「へェ……態々お尋ね者が、妾に治療される為に現れてくれるなんて好都合だねェ」
与謝野はチェーンソウを構えたが、西尾は臆する様子もなく、ただにこにこ笑っている。
「早速、アンタの目的を吐いて貰おうじゃないの！」
「いいよ」
西尾の意外な返事に与謝野は拍子抜けしてしまう。
「……？」
「いいんだよ、別に。どうせ後で忘れて貰うしね」
「はァ！？ど、どういう……」
「俺はこの物語をハッピーエンドに導く為に、俺の異能で暗躍してるんだ。俺の力が世間に露呈してしまうと、俺と俺に関わった人物が狙われるだろうから、異能で記録を消してる」
与謝野は大きな溜息を吐く。
「成る程、それが、アンタが誰にも認知されないのの絡繰かい。なら、なんで殺人現場ではアンタが目撃されてるンだい？」
「生と死は、物語の基点となる場所だからね。俺の異能の作用が不完全にしか影響しないんだ。もう満足したよね？」
西尾は一冊の本を取り出した。
「異能力ーー『 物語』」
＊
ある日のこと。
「あれ、与謝野さん、何読んでるんですか？」
「探偵物だよ。記憶が1日しか保たない名探偵の話さ」
与謝野は中島に、自分の読んでいた本の表紙を見せた。中島は、その本を知らなかったようだ。
「何処で買ったんですか？僕も読んでみたいです！」
「……実は、何処で手に入れたか憶えてなくてねェ……いつの間にか鞄に入ってたんだ」
「ええ！？な、なんだか気味が悪いですね……」
「作者について調べても、何一つ情報が出てこないンだよ。でも、話としては面白いから、気にはならないけどね」
与謝野は椅子に座って、のんびりと本を読む。
その作者、西尾維新のことは何も知らないままに。
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Unknown X - ありがとうございます♪楽しみにしてますね♪ (2018年11月18日 20時) (
レス) id: 10e952ee54 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - Unknown Xさん» こちらはもうお話が一杯なので続編のほうに書くことになりますが、よろしいでしょうか？ (2018年11月14日 17時) (レス) id: acfd73fd70 (このIDを非表示/違反報告)
Unknown X - リクエストいいですか？谷川俊太郎さんをお願いしたいのですが… (2018年11月14日 16時) (レス) id: 10e952ee54 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - イツキ108さん» わかりました！構成の都合上、続編にて書かせて頂くことになりますが、ご了承ください。 (2018年9月18日 18時) (レス) id: 1feef1598f (このIDを非表示/違反報告)
イツキ108(プロフ) - キューブさん» 返信遅れてすみません。ありがとうございます！リクエストで、萩原朔太郎先生で,芥川さんと登場させて頂けないでしょうか...?異能は出来れば敦君に似た獣化系でよろしくお願いいたします。わがままですみません....! (2018年9月17日 23時) (レス) id: 4a38a1604c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キューブ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年7月4日 22時
