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平行世界は無限大 ページ20

それは、一体何がきっかけで起こったのか、全く見当のつかない出来事だった。


「……お前は」

「誰だ……?」


レイ・ブラッドベリは数年ぶりに驚いた。自分の若かりし日の姿によく似た青年が、自分の目の前に立っていた。
青年もまた、自分がそのまま年を取ったかのような姿の男に驚いていた。


「俺はレイ・ブラッドベリ。まさか、お前も……」


「奇遇だね。俺もレイ・ブラッドベリとして30年以上生きてきた」


青年はけらけらと笑い出した。


「……はっはっは!其れは妙な事だな。よく似た同姓同名の奴が出会うなんて!二重人格(ドッペルゲンガー)にしちゃ、随分年が離れてる」


航時機(タイムマシン)を開発して、未来の自分に会った覚えもない」


「だとしたら、平行世界(パラレルワールド)が偶然重なり合ったと考えるのが、一番筋が通ってる、かな」


「では何故俺達が平行世界を越えて出会ったのか……」


暫し悩んだ後、青年の方が声を上げた。


「ブラッドベリ、そっちの世界に『異能力』ってのはあるか?」


「ああ。君の世界でも異能は在るんだね」


「俺の異能は『触れたものを発火点まで加熱する』。お前のは?」


「『書物を燃やす』能力だ」


「それだけ?」


「俺が形而下でも『書物』と認識すれば、コンピュータだろうが何でも破壊できてしまうからね。意外と不便だよ」


青年は、自分に似た男の言葉で何か閃いたようだ。


「――成程、もしかしたら、お前はとんでもない事をやらかしたかもしれない」


「……何だって?」


「お前が元住んでた世界が、お前の異能で焼き払われて、残されたお前だけがこっちに投げ出された……馬鹿げてるけど、実際そうかもしれない」


「……!確かに、この世界は創世より刻一刻と書き換えられていく、『この世界』に関する備忘録(書物)と云っても良い」


二人ははっとした表情で見合った。


「……しまった、此れにお前が気付いて、そして俺の仮説が正しかったとしたら――!」


「まずい!レイ君!」


そう叫んだ時、既に世界は劫火に包まれていた。
レイ・ブラッドベリ只一人を残し、世界は消え去っていく。


ふと、彼が目を開けると、一人の少女が立っていた。



「……おじさん、だぁれ?あたしの苗字(ラストネーム)はブラッドベリ。名前(ファーストネーム)は――」

素敵な駄菓子屋で暮らしましょ→←幕間小咄「ソロモンの偽証」+おしらせ



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Unknown X - ありがとうございます♪楽しみにしてますね♪ (2018年11月18日 20時) (レス) id: 10e952ee54 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - Unknown Xさん» こちらはもうお話が一杯なので続編のほうに書くことになりますが、よろしいでしょうか? (2018年11月14日 17時) (レス) id: acfd73fd70 (このIDを非表示/違反報告)
Unknown X - リクエストいいですか?谷川俊太郎さんをお願いしたいのですが… (2018年11月14日 16時) (レス) id: 10e952ee54 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - イツキ108さん» わかりました!構成の都合上、続編にて書かせて頂くことになりますが、ご了承ください。 (2018年9月18日 18時) (レス) id: 1feef1598f (このIDを非表示/違反報告)
イツキ108(プロフ) - キューブさん» 返信遅れてすみません。ありがとうございます!リクエストで、萩原朔太郎先生で,芥川さんと登場させて頂けないでしょうか...?異能は出来れば敦君に似た獣化系でよろしくお願いいたします。わがままですみません....! (2018年9月17日 23時) (レス) id: 4a38a1604c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キューブ | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年7月4日 22時

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