おいしいコーヒーの嗜み方 ページ16
知る人ぞ知る名店、喫茶「うずまき」
探偵社社員もよく利用するこの店に、一人の常連客が居た。
「うん、やっぱりここの珈琲は、いつ飲んでも美味しい」
カウンターの端で、珈琲を愉しむカフェオレ色の髪の女性。
彼女がうずまきの常連、村山由佳だ。
「午後4時32分、村山嬢の隣で珈琲を一杯飲む、と」
ドアベルが鳴り、折り目正しい動作で、国木田が彼女の横へ座った。
「
「はい」
予定通り、いつも通りに行われることを、村山はいつものように眺めていた。
「相変わらずね、貴方は」
「ええ、此れが『理想』ですから」
「堅苦しいのは嫌われるわよ」
村山の声に返事もせず、国木田は店主からコーヒーカップを受け取り、自分の理想であるブラックのまま口に含む。
「此れが俺の理想だ。自由奔放すぎて迷惑を掛ける輩と、堅苦しいのとでは比べるまでもないでしょう」
「そうね。私は貴方の方が好きよ」
「そう、質実剛健、真面目に堅実に、高き理想を掲げて生きるのが一番だ!」
「……本当に、真面目なお人」
村山は、角砂糖多めの珈琲を啜り、ちらりと彼の方を見た。
国木田の方は早々とコーヒーを飲み終え、会計を済ませようとしている。
「もう少しゆっくりしていけばいいのに。誰かと飲む珈琲は格別、でしょ?」
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Unknown X - ありがとうございます♪楽しみにしてますね♪ (2018年11月18日 20時) (レス) id: 10e952ee54 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - Unknown Xさん» こちらはもうお話が一杯なので続編のほうに書くことになりますが、よろしいでしょうか? (2018年11月14日 17時) (レス) id: acfd73fd70 (このIDを非表示/違反報告)
Unknown X - リクエストいいですか?谷川俊太郎さんをお願いしたいのですが… (2018年11月14日 16時) (レス) id: 10e952ee54 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - イツキ108さん» わかりました!構成の都合上、続編にて書かせて頂くことになりますが、ご了承ください。 (2018年9月18日 18時) (レス) id: 1feef1598f (このIDを非表示/違反報告)
イツキ108(プロフ) - キューブさん» 返信遅れてすみません。ありがとうございます!リクエストで、萩原朔太郎先生で,芥川さんと登場させて頂けないでしょうか...?異能は出来れば敦君に似た獣化系でよろしくお願いいたします。わがままですみません....! (2018年9月17日 23時) (レス) id: 4a38a1604c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キューブ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年7月4日 22時