【SVT】素晴らしき、この世界 (ページ8)

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検査が一通り終わった後、同じ場所で提供されたのはフレンチ。

子供が一人として寄り付かないこの場所で提供されるのはやはり大人の食べる、しかも格式高いものばかり。

今まで見たことがないような道具と食器と食材が一斉に並んだので少し戸惑いながらもフォークとスプーンだけは存在を知っていてまともに使えたのでその二つを駆使して上手く食べきった。

普通にお腹すいてたし。

その後、ウォヌさんに抱えられてその部屋を出た後、最上階に続くエレベーターへと向かう。

エレベーターで上に上がっている最中に2人から忠告を得た。

1つは「今から見る人たちの顔と名前を今日一日で全員覚えること」

もう1つは「絶対にその人たちの顔や性格の特徴を口外しないこと」

最後は「一番偉い人の質問にはすべて嘘偽りなく答えること」

最後の忠告はここの組織の暗黙のルールらしい。

エレベーターホールまでの道中でもエレベーターで最上階まで上がってきてもたくさんの人に頭を下げられるのは、なんだかかつて家のテレビで見た偉い人の気持ちになって少し高揚した。

14：00過ぎ。季節は7月なのにこの階の雰囲気だけは冬場並みに冷たく、厳かだった。

ジフンさんが突き当りの一番重厚な扉を3回ノックする。

「ジフンとウォヌです。失礼します。」

そういって扉を開けると、

広大な会議室に11人の男たちが一定間隔で座っており、中には私を拾ったスングァンさんもいた。

小声で『スングァンさん…』と呼ぶと彼は少し口角を上げてくれた。

「全員揃ったようだね。さて、じゃあ一年ぶりの定例会議を始めようか」

そう言った上座に座るあの男こそがこの会社のトップ、ユンジョンハンだった。