【SVT】素晴らしき、この世界 (ページ5)

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＊SG side ページ5

12人の幹部のうち輸送や調達などに特化している担当のスングァンとAとの出会いは1枚の紙ぺらからだった。

基本的に人身売買を行う際には事前に連れ去る子供たちの体格、性別、などの確認を行ってから誘拐される。

一覧表に名前は書いておらず、最低限のものしか記入されていない。

今回も特段大きなもめ事が起きることなく船は検閲を通り、韓国へ向けて出発していた。

毎度、日本の子供は基本的には皆体つきが良く、裕福なのだろうな、と勝手に想像してしまう。

そしてふと見返した一覧の性別の中に今回は珍しく女子が入っていた。

(あぁ、気の毒に。よっぽどタイミングが悪かったんだろうね………)

と思ったスングァンの元に一本の無線が入った。

「こちら管理部です。一部の輩がこちらの輸送している児童を1名誘拐しようとしています。至急現場に急行してください。」

あぁ、もう。いい感じだったのに。面倒くさいことになったな。

と彼は目に見えるようにため息をつき高級そうなソファから腰を上げた。

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現場へ足を向けると、もう管理部によって捕らえられた2名の不届き者が膝をついて横たわっていた。

管理部によれば女児を一人連れ去ろうとしたらしい。

それはいったい何のためなのか。いくつか理由は思い当たるが、スングァンは彼らの前に仁王立ちで見下げるようにこう言った。

「お前らが何を考えたのかは大方見当がつく。1つは攫った子を可愛がるため。2つは希少価値の高い子供を見つけた。

　どちらにしてもこっちの意思とは背くようなことされちゃあ、黙ってないよね。

　さて、一体どんな子を横からかっさらおうとしたのかな？」

管理部に2人の処理を頼んで訳アリの女の子に会いに行くことにした。