【SVT】say the name ! seventeen のマネちゃん (ページ15)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:29,077 hit

アホの子ページ15

私は彼らの予定を大体把握しているので、いつどこに誰がいるのかは把握している。だけど退勤時間以降は私たちは彼らと関わることは多くない。とはいえ、ほぼ毎日べったり一緒にいるようなもんですけど。

スンチョルは仕事のあるなしに関係なく、月に数回ふらっと副社長の元へ足を運ぶ。

きっと、相談だったりお願いを通すのに必要な作業なのだろうと私は解釈している。

…それを何故私が知っているのかと言うと。

「ヤー、今日もまだ仕事してんの？事務作業意外と多いんだね。」

「なんで休日なのにここにいるんだよ」

「今何してるの？」

と副社長がいなかったとき、いたとしても喋る前か喋った後はスンチョルが高確率で私の席まで来て「副社長に会うついでに」絡んでくるのだ。

机に向かっている時は事務仕事をしていることが多いので、大概彼との会話は息抜きになることが多いが、仕事中ではある。

『申し訳ないけど、その話の続きはこの仕事が終わってから聞かせて』

「はーい。じゃあ、その仕事が終わったら今日Aは退勤ってことね～」

『退勤するとは言ってない！！』

といった具合で仕事を早く済ませて切り上げることが増えた。

…まさか私を早く上がらせるための配慮だったのか、と思ったが。彼の表情にはそんなつもりのない感じだったので聞くのを止めておいた。

ある日の休日。

スケジュールの調整と連絡のために今日は夜遅くまで残ることにした私は最後の仕事を片付けて机に突っ伏した。

突っ伏した状態で時計を見ると、もう日をまたいでおり『明日もあるし早く帰んないと…』と思いながらまた顔を机にくっつけた。

そうしたまま動けないでいると遠くの方から足音が聞こえてくる。

「Aじゃん。こいつまだ仕事してたのかよ…寝てるし。」

と言った後、私のイスに掛けられていたであろうブランケットをそっとかけてくれた。

(こういうとこがいちいちいい人なんだよな～)などと思い、私はそこで意識を手放した。

「あんなに話しかけてるのにお前、まだ気づいてないんだもんな。」

「なぁ、俺をそろそろ意識しなよ。アホ。」

彼がそう一言つぶやいたことを彼女は知らない。