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高校になって初めての夏休みに突入し、8月も2週目でセミが死ぬほど鳴いている昼下がり。
どこか家以外で涼みながらもノートを広げられる場所があればいいな、と思って探して見つけた趣ある喫茶店の店内。
そこで勉強していたけど、少し休憩しよう、と思ってふと顔を上げると厨房でバイトをしている彼を見つけてしまった。
そう、これは偶然。それにしても今日も顔が綺麗。学校の制服も似合ってたけど、ここのユニフォームもまた、似合ってるなぁ、なんて。言わないけど。
……そういえば、校則ではうちの学校、バイト禁止じゃなかったっけ?
と思いながらもまた注文をしようと店の奥に声をかけると彼が来てくれた。
「……あれ、Aさんじゃん。ここ、通ってるの?」
『いや、今日初めてここ見つけて。雰囲気良いなって。』
「そっか〜。学校からだと結構遠いから、同じ学校の人には会わないと思ったんだけどなぁ」
「皆には秘密にしといて、ね?」
私が遠くからいつも登校してることに、これほどまでに感謝した日はなかった。
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作者名:ちゃな | 作成日時:2021年8月21日 20時