19-この扉を開けたら君はいるのに*JS ページ19
小さく軋むドアを開けBarに入る。
そこはまだ開いたばかりのようで人は誰もいない。
・・・なぜか店員さんも。
誰もいないのかな？
少し覗き込んでキョロキョロしていると奥の扉が開いて笑いながら大柄な男の人が出てきた。
男「はっはっは。だって予約してやったらソレをやってくれるって言われたもんだからよ。ま、頼むぜ。」
その人は顔を上げると僕に気づいてにっこり笑った。
男「いらっしゃいませ。どうぞお好きな席に。・・・・それともお待ち合わせですか？」
JS「あの・・・・沙耶さん、いますか？」
男「・・ん？沙耶の友達かな。・・・もしかしたら。。。いや、なんでもない。一人なのかい？」
頷くとその人はにっこり笑ってカウンターにコースターを出した。
男「こちらにどうぞ。」
薦められるままにそこに座るとグラスを出される。
JS「あ・・の、僕、お酒は飲めないので。」
男「そう聞いてるよ。これはウーロン茶。安心してどうぞ。」
僕がグラスに口をつけるとまたにっこりと笑った。
男「沙耶には今、仕事お願いしてるから少し待って。」
それだけ言うと奥に行ってしまい僕は一人にされた。
で・・・・・待ってと言われても待てる訳ないし。だってずっと探してたし。
違うな。そうじゃない。
ただ、会いたかったんだ。
席を立ち扉の前に行く。
中から沙耶ちゃんの声が聞こえる。
電話・・？
沙耶「・・・・本当にいい子にしてね？明日にはそっちに行くから。」
「みー、泣かないで。そんなこと言うと隣にいる達也さんが泣いちゃうよ。」
「すぅもあと３つ寝たら一緒にいられるから。・・ね？」
「大好きよ。泣かないで。・・・おやすみ。よい夢を。」
とても優しい声だった。
だから。
僕はその扉を開けることができない。
20-邪魔者達*JS→←18-見たい夢を見られるなんて結構すごくね？*JJ
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しんち(プロフ) - のこさん» ありがとうございます。なかなか更新できず・・頑張ります。 (2018年12月8日 22時) (
レス) id: b9b1b5a8d9 (このIDを非表示/違反報告)
のこ(プロフ) - お久しぶりの更新、嬉しいです！…読めば又切なさが蘇ってきて、ちと辛くもあるのですが… (2018年12月8日 21時) (レス) id: 72bf88ec29 (このIDを非表示/違反報告)
しんち(プロフ) - 嫁さん» こちらこそありがとうございます。蛇足な話なのにそんな風にいっていただけると。もう少しなのでご愛顧のほどを。 (2017年4月11日 0時) (レス) id: c77ad45416 (このIDを非表示/違反報告)
嫁(プロフ) - 更新ありがとうございます。切ない恋も人生ですね。簡単にはいかないから人生なのかもと思っています。 (2017年4月8日 16時) (レス) id: cc86b7eb97 (このIDを非表示/違反報告)
しんち(プロフ) - 嫁さん» ありがとうございます。いつか。わかってもらえるとうれしいなぁ。と私も思ってます。同じ気持ちでいていただいてすごくうれしいです。 (2016年6月25日 23時) (レス) id: c77ad45416 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しんち | 作成日時：2013年11月22日 1時
