拝啓邪神様方、人前で変なことを口走るのはやめてください！！【名探偵コナン】

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お店の閉店後、自宅に帰ってから戸締まりの確認をしっかりして、かつて読んだ書物に記載されていた、ニャルラトホテプを称える言葉を思い出す。

いや、召来の呪文だと、本体で来られたりするかもだし。これで無理だったら諦めて目をつぶりつつ召来の呪文にする気ではいるし…？
そんな事を考えつつ、私は口を開いた。

『暗黒のファラオ万歳 ニャルラトテップ万歳
くとぅるふ・ふたぐん にゃるらとてっぷ・つがー
しゃめっしゅ しゃめっしゅ
にゃるらとてっぷ・つがー くとぅるふ・ふたぐん』

ひたすらそれを繰り返していると、唐突に玄関の方からガチャガチャッ、という音がしてそのあとチャイムが鳴る。

モニターを覗くと、焦ったような様子のニアが玄関の前でうろうろしているのが見えた。

扉を開けに行くと、ニアが呆然とこちらを見てきた。

ニア「私を称える言葉を唱えたのは、あなたですよね。どうして……？
私なんか嫌いだとおっしゃったではありませんか。」

そう呟いたニアに、溜め息を吐きつつこう答えた。

『千夜さんに頼まれたんです。ニアが世話を放棄したせいでアザトース様がご立腹で、このままだと危険だ、ニアと仲直りしてくれって。
だから、ほら。仲直りしますよ。』

そう言うと少し驚いたようだったが、すぐにいつもの人を喰ったような笑みを浮かべてこう言った。

ニア「そんな態度で許してもらおうなんて、まだまだ甘いですねぇ、詩織さん？」

『あっ、そうですか。ならやめますね。
じゃあ私はこのまま世界と共に心中ですからさようなら』

そんなことを言って扉を閉めようとすると、ニアは慌ててそれを止めた。

ニア「さすがにそれは嫌ですねぇ…仕方ない、仲直りしてさしあげます」

そんなことを言うニアに、思わず笑いが込み上げる。

『ニアって意外と優しいんですね、見直したかも知れません』

そう言うと、一瞬きょとんとしたあとに、にやりといやーな笑みを浮かべた。

ニア「あぁいえ、さすがに後で軽い代償はもらいますよ？
そうですねぇ…最近飼い始めた私のペットと遊んでもらう、ってことでどうですか？」

そんなことでいいのか、と思いつつも了承した私が馬鹿だった。
そもそもこいつがそんなに良心的なことをするはずないし、普通の動物ではないことは察していたが、それが何かを確認すらしていないのだから、私のトラウマも同然のモノを連れてこられる確率もあったはずなのに。
この時の私は本当に、どうかしていたと思う。

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