幸せのかたち5

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しばらくして、心が限界を突破したのか


堰を切ったように話し始める望






小「……、おれっ、1人でっ、ステージ立ってんのっ、


歌って、踊ってんのっ、



でも、なにも見えへんのっ、、」









泣きながら口にする彼のストーリーは


他人からすれば間違いなく夢だとわかる。







だけど、彼にとっては現実か夢かの狭間で。









桐「そっか、そっか。それが苦しかってんな？



自分は1人なんかもって思っちゃってんな？」







小「…うんっ、ひっ、く、うぅ、」








桐「ほんまに、いっぱい頑張ったんやなぁ。



監督さんも、よくやったって言っとったで？


望、愛されとるやん」






小「…ひっ、かんとくっ、チーム、


好きっ、暖かかったっ、、







でもっ、



でもっ、









…メンバーにっ、会いたかったっ、、。」









涙とともに溢れ出た本音。





俺のお腹に頭をぐりぐり押し付けながら



「会いたかった」という望が



愛おしすぎて。






桐「…ふはっ笑


もーー可愛いやっちゃなーー？？



俺が駆けつけた時、誰って言われて

俺、忘れられたかと思ってんけどぉ、？」









わしゃわしゃ頭を撫でると



こんなココナッツくさいの照史しかおらんもん



っていじってくるこいつ









桐「なんやてーー？？笑」







少しくすぐってやると、身を捩って。



でもすぐまた悲しそうな顔に戻る



から、



まだ何かが彼を苦しめているのだろう









桐「…ん、どした？

またなんか悲しいこと思い出した？」






小「…ちがっ、いやっ、…あん、な、？」




桐「ゆっくりでええよ笑


でもつっかかることあるんなら話した方が楽やで？


俺、ここでちゃんと聞いたるから」








小「………おれっ、まだメリックが俺の中で生きてる気がすんねんっ、


やから、メンバーおらな、自分がわからなくなるっ、」










こんなになるまで役を全うした望



でも求めてるのはやっぱりメンバーであることが


俺はすごく嬉しかった。








だから、





桐「、ふふ、怖くなっちゃってんな？笑



大丈夫。



俺らは望のこと置いてかへんし、ずっと傍におるから。


こんな寂しがり屋な末っ子ほっとかれへんし？」








望の心がちゃんと戻ってくるように





背中をポンポンと叩く









小「……寂しがり、ちゃうしっ、」









俺のお腹をぽすぽす殴る望は



やっと、






俺の目を見てにやりと笑った。









fin

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