幸せのかたち5

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桐山side






眠りから覚めることのなかった彼を



俺のベッドに寝かせて



キッチンでなにか食べれそうなものを作っていた









トントントン







……どんっ









自分の包丁の音と合わせて、


聞こえてきた、何かが落ちるような音に思わず手を止める





聞こうとしなければ気づかないくらいの


小さな音なのに、







なにか嫌な胸騒ぎがして、



料理の手を止め、寝室へと急ぐと、




ベッドの下でなにかを掴もうと、

もがいている望が見えて。









小「はぁっはぁっはぁっはぁっ、いやっ、」







桐「…っ、望？望？落ち着いて、」






小「…はぁっ、はっ、だれっ、いやっ、」









完全にパニックを起こしている望に

言葉は通じないと判断し



正面から覆い被さるようにして抱きしめる









桐「よーしよし、大丈夫大丈夫。怖くない怖くない。」





望「……ひっ、くっ、はぁっ、はぁっ」





桐「そうそう、上手上手。吸って吐いてしようなー？」






望「………、っ、ひっ、あき、とっ、、？」







桐「うん、照史やで。



…よかった、ちょっと落ち着いたな」





目は俺を見ていないから、


きっと匂いでわかってくれたのやろう









やっと、


一定の呼吸を取り戻した望を抱っこして


ベッドに座らせた、







けど、





その目はまだゆらゆらと揺れて



不安そうな表情に変わりはなかった。

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