幸せのかたち5

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神山side









…うぅ、はぁ、はぁっ、はぁ、いっだ、っ、






ぼんやりとした頭に徐々に飛び込んでくる辛そうな声に



うとうとしてた脳をがんばって覚ますと






その声はしげから聞こえてきて。







しかも、両手はおなかに当てられとったから、


一瞬でしげの置かれてる状況を把握する。









重「…あっ、ごめん、神ちゃん。起こしてもうた…」






俺が近寄ってくると開口一番に謝ってくるしげは、ほんまにあほ




俺が聴きたいんはそんな言葉じゃない





でもそれをわかってくれない鈍感な彼は、ひたすら大丈夫だと嘘をつく









重「大丈夫やから、神ちゃん寝てて？」






どんどん苦しそうに顔がゆがんでいることに気付いていないのか




いつまでも強がる彼に、俺もじっと待つなんてことはできひんくて。









すっとそらされた目を無理やり合わせに行く









神「しげ、お腹、痛いんやろ？トイレ寄ってもらおう。ね？」






重「…いやっ、でもっ、もうこんな時間やしっ、」






神「何言うてんの、そんな辛そうな顔して。





すいませーーん。どこでもいいんで、トイレ寄ってもらえます？急ぎで！」









運転してくれはるマネージャーに大きい声で告げると




もう隠し続けるのは無理だと悟ったのか、









急に俺の手を握り締めてきた。









重「、、、かみちゃ、はぁっ、はぁ、いだいっ、いだぃ…」







神「うんうん、痛いな。すぐ着くからもう少し頑張ってな。」






重「…うぅ…まだっ、まだっ、？はぁっ、かみちゃ、」






神「もうすぐもうすぐ。痛くない痛くない。」









俺の手を握る力が異様に強くなってるから、きっと相当痛いはず。




でも、俺は、しげの手とお腹をさすってやることしかできひんくて。







山々の中に見えてきた一つの明かりにたどり着くまでの、



ほんの数分が





やけに長く感じられた。

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