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「……あきとっ、あきとっ、きてっ、」









「ほいよ、……ん、しげ?」









「……げぽっ、ぉ、えっ、っ、」









「ぉ、っと、大丈夫大丈夫。びっくりしたな?」









「……ぅっ、はぁっ、っ、ぅ、」











「まだ出るか?」









「照史、袋。」









「さんきゅ、」










うずくまったしげの手から

ぽたぽたと落ちる嘔吐物が床を汚していく。





その傍らで震える背中はすごく小さくて弱くて。












「……ぅっ、っ、げぇっ、」










「ほいほい、上手、上手やで。」










「……っぅ、ぅ、」












照史が袋を口に当て優しく声をかけて




はまちゃんがせかせか動き出して、





俺は、涙を流してる彼の頭をわしゃわしゃ撫でる











ひとしきり吐いたら
落ち着いた彼の口と手を拭いてあげれば





鼻の詰まった声が聞こえてきた。












「……っ、ほんま、なさけなっ、おれ」












「そんなことないよ。
楽しいんやろ?練習が、ボクシングが。

ならええの、かっこええよ、しげのそういうとこ。」








「……」







「なーに、また離れようとするん?」









「ちゃうくて、」









「ほら、顔見してや?
涙拭いたるから」











少し荒れた肌


しゅっとなった頬


そしてほんのり赤い顔










どれもこれもこいつの努力の証で。










なんかそんな健気な彼を抱きしめずには居られなくて。











照「なぁ、しげ、今ならなんでも言えるんちゃう?
お兄ちゃんらしかおらんよ。」










なんとか弱い部分を吐き出してくれると思って

そう言うたら





返ってきたのは。













「………

じゃぁ、っ、おれの、ボクシング、みてっ、」












もう俺らは否定の言葉なんて何も言えなかった。





しげの目の奥にある炎が見えた気がしたから












「……わかった、ちゃんと放送見るから、

見るからさ、

今は忘れよ。ボクシング。1回だけでええから。」












「……コクッ、おおきに、」











俺らの言葉を聞いて




今度は素直に抱きついてきた彼は



やっぱり熱くて強い″重岡大毅″そのものやった。

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作者名:きりまる | 作成日時:2022年8月31日 23時

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