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「……しゅ、っ、しゅっ、ふぅ、っ、」
「しげー、1回休みぃや？」
前半の撮影を終えたあと、
しげはすぐに控え室で1人こもって練習しとって。
俺らはそれを覗きに来た。
「しゅ、っ、ぅっ、はっ、っ、」
「しげー、おーい、」
「……ふぅっ、はぁっ、っ、し、」
「ダメや、あいつ聞こえてへん。」
「………ん〜そっとしとこか。」
楽屋入ってきた時の疲れた顔が忘れられへんくて、
ほんまはめっちゃ休ませたいけど
しゃーなし。
彼の世界には誰も入られへんからさ。
結局そのままそっと扉を閉めて、元の楽屋へと戻った。
んやけど、その後すぐ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「すいません！あの、っ、重岡さんがっ！」
3人でお昼ご飯の弁当を頂いてた時
重岡についてたマネージャーが大声出しながら
俺らの楽屋に入ってきて。
その言葉を聞いた瞬間俺ら全員飛び出した。
「……しげ！」
隣の控え室に入れば、
見るからにフラッフラになりながらも
まだシャドーしてるしげの姿。
立って動けてるのが不思議なくらいの足取り
その危険さに
1番に入ってった照史がしげの肩をガシッと掴んだ。
照「しげ、1回おしまい、あかんで、」
「………ゎ、ちょ、なにっ、やめてやっ、」
照「しげ、落ち着いて、お前熱あるんやないの？」
「…ないっ、ないって、」
「……ゎ、っ、1回座ろ、危ないわ、」
汗だくになりながら照史の手を振りほどこうと
もがくしげが、突然後ろによろけて、
咄嗟に抱き抱えた。
「ん、そのまま動かんで、俺に寄っかかり。」
「……ふぅっ、はぁっ、ぅ、」
照「ほい、しげ、水飲んで。」
「……っ、はぁっ、はぁ、っ、……ｺﾞｸｯ」
照「よし、ん、ありがとう。」
苦しそうなしげの口に
無理やりペットボトルを持ってけば
水はしっかり飲んでくれて。
「そのままちょ、俺らの楽屋行こうや。
休まなあかんわこれは。」
照「せやね。熱も気になるし、」
崇「しげ、立てるか？」
少し慌てた俺らの声をぼーっと聞いてたしげは
急に我に返ったのか
俺の腕の中から抜け出して
堰を切ったように叫び始めた。
「……あかん、！やらせてっ、やらせてやっ、」
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作者名：きりまる | 作成日時：2022年8月31日 23時
