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淳太side
頑張ってんなぁあいつ。
もうこんな光景も見慣れてきた楽屋。
今日は兄組＋しげで雑誌の撮影
俺らが来る前からいつものように、
準備もせずシャドーボクシングしてるしげ
その横を静かにとおりすぎて俺はソファに座った。
つい1ヶ月くらい前に決まった大仕事。
本人的にはほんまに楽しみでしかないんやろうけど、
こっちとしては心配しかなくて。
ただでさえ休みなく働いてるのに、
体を酷使する企画なんて。
やけど、
そんな俺らの思いを彼に押し付ける訳にもいかないし、
頑張れって応援するのが正解やと思うから
今までずっと見守ってきた。
「しげ、もうすぐやって。そろそろ汗直してき？」
「……ぁ、ほんま？ごめん、ありがとはまちゃん」
のめり込みすぎて周りが見えなくなる彼。
しかも今日はなんとなく顔色が良くない気がして。
まだボクシングの動きを続けながら出ていった背中を
見ながら呟かずにはいられなかった。
「……大丈夫なんかなぁ」
「しげちゃん？」
「そう、あいつ入り込みすぎると限界突破するやんか、」
「せやんなぁ、
でも本気でやっとるのかっこええわ、」
しげが夢見てきた舞台やねんからそりゃ
本気になるのは当たり前
そんなんわかってんねんけどさぁ、
「……ま、普通でいようやせめて俺らは。」
「……しかないよなぁ、」
頑張り過ぎるほど頑張る彼に
俺らができることはそれしかないんやろうか。
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作者名：きりまる | 作成日時：2022年8月31日 23時
